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往復書簡⑦清尾→小齋「平日に4万人が集合して押し上げた」

 小齋くん、こんにちは。
 前回から、3か月以上経ってしまいました。まるで船便の往復書簡ですね。もっと遅いか。

 我々の往復書簡がどれだけ影響したかはともかく、5月6日、浦和レッズは三度目のACL優勝を果たしました。
 正直、今年の決勝を盛り上げるためもあって始めた企画だったので、優勝してしまうと少しモチベーションが下がってしまうかと思ったのですが、優勝して2023-24のACLにプレーオフから出場することになったので、まだまだACLの話題の鮮度は落ちないはずです。我々の話題は16年前のものですが。
 ちなみに、再開するのに時間がかかったのは、モチベーションのせいではなく、ACL決勝のあとホームゲームが続いたのと、レッズがいま一つ波に乗れなかったためです。
 しかし、ACL2023-24のプレーオフという未知の試合の前に、この往復書簡を少しでも進めておかないと、9月中旬以降に始まるグループステージに間に合いません。ええ、もちろんプレーオフに勝つことを前提にしています。

 ということで、2007ACLグループステージ最終節のシドニーFC戦から再開します。よろしくお付き合いを。

 そもそもグループステージ第5戦の5月9日、「あちゃー、終わったかな」と思いました。詳細は小齋くんが「第6信」で言ってくれていますが、ある意味でACLらしさを最も表した試合でしたよね。レッズが3-0で圧勝したインドネシアのペルシク・ケディリに、アウェイでは3-3で引き分けたんですから。
 一時は1-2とリードされる展開に、選手もサポーターも「本当にあのチームか」と驚き、それでも3-2と勝ち越して、最後は勝てるだろうと思っていたのですが、84分に同点ゴールを決められました。

62分に阿部のヘッドで3-2になったときは、これで決まり、と思ったのだが(5.9/ケディリ戦)

 レッズは勝ち点9までしか伸ばせず、ライバルであるシドニーFCが上海申花に勝てば勝ち点10となり、グループ首位を奪われてしまいます。第6戦の直接対決でレッズがシドニーに勝てばいいのですが、アウェイで対戦した感触では勝つのは難しそうな相手でした。そんなことを考えながら、試合後の選手に話を聞いたり片付けたりして、バタバタしていたところに「シドニー0-0上海申花」の報が届きました。レッズーケディリ戦の1時間後に始まった試合でした。

「へ?うそ?」というのが率直な感想でした。シドニーがホームで上海に勝てないとは思っていなかったので。
  自分で何か記録的なものを見る余裕はなかったので、確定情報ではなかったですが、こういうふうに流れてくる話が間違いであったことはあまりないので、「地獄から極楽へ」は言いすぎですが、ブルー気味だったメンタルがだいぶ上がってきたのを覚えています。

 なぜ第5戦についてこんなにおさらいするかというと、シドニーFCとの勝ち点差がどういう形で第6戦を迎えるかは、非常に重要だと思っていたからです。
 勝ち点で負けているなら、最後ホームで勝てばいい。
 その言い方は間違ってはいませんが、「勝てばいい」と言えるほど簡単な相手だとは僕には思えませんでした。それほど第2戦のアウェイで一時は0-2とリードされた試合がイメージに強く刻まれていたのです。

グループステージ最終節はこういう状況で迎えた

 ですから第6戦でシドニーを迎えるにあたって、レッズが勝ち点9、シドニーが勝ち点8。引き分けでもレッズがグループ1位になるという状況は、だいぶ僕を気持ち的に楽にしてくれましたよ。
 もっとも「引き分けでもいい」というシチュエーションは、ともすれば守備的になりすぎて相手の攻撃時間を長くしてしまうことになります。まさにサッカーの攻守は表裏一体、有利不利は両刃の剣ですね。
 この日のMDPには永井雄一郎のロングインタビューを載せました。もちろんアウェイのシドニー戦で同点ゴールを決めていたからです。シドニーの選手やサポーターがどれだけMDPを見るかわかりませんが、少しでも相手にネガティブな気持ちを起こさせようという意図でした。MDPも闘っているんです。

 自分も闘っているつもりでしたが、このホームのシドニーFC戦は写真を撮っていて、「ヒマだった」記憶しかないんです。ただただ点を取られなくて良かったなあ、と。いま試合の写真を見ても、望遠レンズでの写真、つまりレッズ陣内を写した写真が多いです。もちろんチャンスの写真もありますが、結局スコアレスドローで、記憶に残るシュートシーンもありません。ということで、試合内容はお任せします。

たぶん、これがレッズ最後のシュート

 そうそう。試合で記憶に残っているのは、この日の入場者、44,793人。この年のグループステージで最多でした。水曜日にこの人数はすごいと思います。

レッズサポーターのACL熱を示す試合だった

 リーグ戦で平日のホームがこの年埼スタでは1試合しかなかったのですが、8月1日の広島戦が38,682人となっています。
 レッズがアジアでの闘いで次のステージに進めるか。そんなときには平日であろうと4万以上がスタジアムに集まる。このことが誇らしかった気がします。

 では、また。

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