清尾淳のレッズ話#300 ALL COME TOGETHER!~今かみしめるその意味/これからのレッズに必要なこと
Jリーグが始まった1993年、ナイトゲームが終わって浦和駅に着いたサポーターに、通勤帰りのサラリーマンが「レッズきょう勝ちましたか?」と聞いてくることがよくあった。今はスマホで簡単に情報が取れるから、そもそもそんな必要はないだろうが、当時は「ああ、みんなレッズを気にしているんだな」と思ったものだ。僕が「浦和に住む多くの人に、レッズを気にして欲しい」と言うのは、この光景が原点になっている。
駅を降りた人のうち10人がそういう問いを発したとしても、「みんな」と言うのは大げさかもしれないが、逆に10人が聞いてくるということは、そこまではしなくても気にしている人が100人いるということかもしれない。
「気にする」が高じれば「試合を見たい」になり、「テレビ観戦」が高じれば「スタジアムで見たい」となる。スタジアムに来る地元の人が増えることにもなるだろう。
だが、スタジアムが満員になることは大事だが、それよりも地元の多くの人たちに、レッズの存在が好意をもって認められることのほうが大きいと、僕は思う。それこそが浦和レッズの存在意義になる。
ファン・サポーター以外の人にレッズを知ってもらう活動。いまクラブの広報担当スタッフが輪番制で毎日新聞の県版にコラムを書いている。第三土曜日だけだが、ありがたいことだ。また、県内の朝日新聞に、ホームゲームの前日折り込まれるタブロイド紙「REDS TOMORROW」なども、そういう媒体だろう。
いろいろな団体と付き合いを深めて、その広報紙などにレッズの情報を掲載してもらうのも有効だと思う。レッズのパートナー企業の広報紙やホームページにレッズのコーナーを作ってもらうのもいいだろう。
いろいろな仕組みを作るのは簡単ではないし、その効果が表れるのには、もっと時間がかかる。
だからこそ、いまスタートしなければならないと思っている。
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