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さいしんコラム#1210 強者の証、3連戦/取っておいた餅
絵に描いた餅を見れば、食べた気になり腹が膨らんだ感触になるかもしれない。でも、それじゃ栄養にはならない。
WEリーグで未消化の試合が2試合あるため、現在レッズレディースは勝ち点5差で4位に位置している。その2試合でしっかり勝ち点3が取れれば首位になる計算だが、別に勝ちが約束されている訳ではない。
未消化の試合があるのは、他チームが試合のないときに勝ち点を積み上げるチャンスではあるが、勝てなければ絵に描いた餅はやっぱり食べられない餅だったということになる。
レッズレディースにとって11月20日(水)の試合は、絵に描いた餅でなく取っておいた餅を後から本当に食べる、大事な試合だ。2個のうち1個を。
そして浦和レッズにとっても、餅を後から食べる日が11月22日(金)にある。こちらは「食べかけ」になっている餅だ。
Jリーグ第28節・川崎フロンターレ戦。前半1-0で折り返したが、雷雨のためハーフタイムが延び、そのまま中止に。後半がこの日に延期された。
レッズの場合は、「強者の証」で後倒しされたわけではないが、つい皮算用したくなってしまう試合の一つであることは同じだ。
後半45分だけの試合を応援に何人が来てくれるか、という意見があるのはわかる。
でも、食べかけたものを最後まで食べる機会なのだ。完食しなければ勝ち点3は積み上がらない。
また、どの選手も初めての経験だ。
通常の試合と最も条件が違うのは、まず1点の重みだろう。45分しかないのだから、失点したらそれを取り返す時間が少ない。その緊張感が全く違う。
そして、この試合に限っては、レッズが1点リードというアドバンテージで始まるということがある。
それ以外は、前回と極力同じメンバーということがあっても、全員フレッシュな状態で始めるわけだし、両チームの状態も3か月前と同じではない。そこは厳密な「続き」ではない。
45分しかないから、いつもと違って開始からフルパワーでいける、という考えがあるかもしれないが、特に交代が5人になった現在、90分持たせることを考えずに常に開始から全力を出している選手が多いはずだ。
こんな珍しい試合に立ち会える貴重な機会。行かないのはもったいないのではないか。