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さいしんコラム#1216 ダブル優勝を歴史に刻もう/過去はこんな選手が出てました

 浦和レッズジュニアユースが高円宮杯全日本U-15選手権で優勝したのは、山田直輝高橋峻希永田拓也たちが中学3年生だった2005年と、伊藤敦樹が3年生だった2013年の過去2回だ。
 2020年には準決勝まで進み、レディースジュニアユースが高円宮妃杯で決勝を戦ったのと同じ日、同じ西が丘で戦っている。レディースジュニアユースがJFAアカデミー福島と、レッズジュニアユースが鹿島アントラーズつくばジュニアユースと対戦し、どちらもPK負けという悔しい結果だった。

 今回は男女共に決勝。27日、味の素フィールド西が丘で、レディースジュニアユースが11時からセレッソ大阪ヤンマーガールズU-15と、レッズジュニアユースが14時からガンバ大阪ジュニアユースと戦う。
 12月8日には、Jリーグ最終節とWEリーグクラシエカップ準決勝がなんで同じ日なんだ! と憤ったが、この同年代男女の選手権決勝を同日同会場にしたJFAには感謝する。

 感謝しているのは、C大阪サポでもG大阪サポでもなく、日本の中でレッズサポーターだけだろう。27日だとまだ仕事の人が多く、近くで行われても応援に行けないという悔しさをよけい感じるかもしれないが、それでも一番"美味しい"のは我々のはずだ。
 その"美味しさ"への感謝を、ぜひとも男女U-15ダブル優勝という形で表して欲しい。浦和レッズだけでなく日本サッカー協会の歴史に残る快挙なのだから。

 さて、冒頭に書いたように、この全日本U-15選手権で優勝した選手たちは、その後トップチームに昇格している。
 浦和レッズジュニアユースレディースおよびレッズレディースジュニアユースの全日本女子U-15選手権での優勝の経緯はさいしんコラムで書いたが、それぞれどんな選手がいたか、記載しておくとイメージが湧くかもしれない。

 まず2008年の初優勝のときは、中学3年生に加藤千佳がいた。もちろん中学3年生はもっといたが、代表的な選手のみ記す。
 2009年はキャプテンが栗島朱里だった。
 2010年は中村みづきがキャプテンを務めていた。「2連覇していたのですごくプレッシャーがありました」と当時語っていた。
 2011年は塩越柚歩遠藤優が現在トップで活躍中。ちなみに決勝はPK勝ちだったが、GKは松本真未子だった。
 2012年は長野風花がいた。
 2017年の決勝もPK勝ちで、優勝の立役者だったGKは福田史織
 そして2019年のキャプテンは角田楓佳。これが現在のところ最後の優勝で通算最多の7度目となる。

 トップに昇格するような選手はだいたい、1年生のときから公式戦に出ていることが多いから、優勝経験者はもっといるが今回は割愛させてもらう。
 そして高円宮妃杯になって初めての大会で決勝に進んだ選手のうち竹内愛未と岡村來佳が現在トップに所属している。
 本日練習で、それぞれの選手に経験談や明日の試合へのエールを聞いてきた。

栗島朱里(2009年に中3)
「2009年。ずいぶん前ですよね。その前の年に優勝したときも決勝に出ていたので、内容がごっちゃになってよく覚えていないんですが、3年生のときは負けたらどうしようとか全く思わず、優勝するしかないっしょ!という感じだったと思います。ここまで来たら技術云々ではなく、気持ちです。
 応援に行きます。頑張ってください」

遠藤 優(2011年に中2=当時は中2以下で出場)
「もうだいぶ前なので、決勝に出たときの気持ちは覚えていないんですが、勝った後、優勝カップをもらったり、盛り上がったりするのがめっちゃうれしかったです。
 私はPK戦で蹴ってないけど、もしPK戦になったら、思い切り枠の中に蹴って欲しい。
 今回、会場が西が丘だし、男子も決勝なので、浦和のサポーターがいっぱい来てくれると思います。とにかく楽しんで思い切りプレーして欲しいです」

塩越柚歩(2011年に中2=当時は中2以下で出場)
「自分たちの代から学年の区切りが変わって、中2しかいなかったので不安もありました。でもやるしかないという気持ちで戦い抜きました。優勝したときは、自分たちもできるんだという自信が大きくなりましたね。
 決勝が西が丘でできるのは大きいと思いますし、男子のジュニアユースと同日に決勝が行われることもなかなかないと思うので、この機会を逃さず、男女とも優勝して欲しいと思います」

・福田史織(2017年に中3)
「8月の大会で、暑かったんですが、とにかく気合いだと言っていました。とりあえず走ってがむしゃらにやるぞ!という感じでした。
 先制したんですが同点にされてPK戦になっても、みんな絶対に勝つというムードでした。相手の1本目を自分が止めて、(丹野)凜々香が外したんですが(笑)、相手もまた外して、その後はみんなが決めてくれました。いつ終わったのかわからず、笛が鳴って、勝った!と気づくくらい集中していました。『優勝しないとSNS禁止』とか監督に言われていて、みんな「見返してやるぞ!」という気持ちで頑張っていました。
 決勝が西が丘でたくさん応援に来てもらえるのはうらやましい気もしますが、自分たちはチームが1週間ずっと大阪にいたので、全国大会に来ている感がすごく強くて、そのことが良かったです」

角田楓佳(2019年に中3)
「決勝に行った時は、『ここまで来たら』という感じで、優勝することしか考えていませんでした。前々年の決勝にも自分は中1で出て優勝してすごくうれしかったので、決勝で負けてはいけないと思っていました。
 自分たちまでは夏の大会でしたが、今は冬の大会なのでジュニアユース時代の集大成として悔いなく戦って欲しいです。自分も準決勝を見て、感動しました。高円宮妃杯、ぜひ獲ってください」

竹内愛未(2020年に中3)
「決勝は、どのチームも行けるものではないし、応援もたくさん来てくれてテンションも上がるでしょうけど、そこで熱くなり過ぎないようして欲しいです。あとはチームの団結力だと思います。準決勝でJFAアカデミーに勝ったと聞いて、強さを感じています。応援に行くので頑張ってください」

岡村來佳(2020年に中3)
「今回、準決勝でJFAアカデミー福島に勝ったと聞いて、めっちゃうれしかったです。相手が強いチームだというのは、自分たちが身に染みて感じているので。すごいですね。
 4年前の決勝は、前半が終わって、気持ちでは負けていなくても技術などは相手が上だな、と思いました。それで1点でも取られたら負けだと思い、何とか無失点に抑えてPK戦まで持って行けました。自分が1年生のとき(2019年)、優勝した試合に出ていて、決勝点を決めたので、そのときのうれしさはよく覚えています。
 優勝したら、あれ以来ということですね。頑張って欲しいです」

 明日、男女の各カテゴリーの選手が応援で西が丘のスタンドにいるだろう。どんな光景になるのか、楽しみだ。

※トップ写真=女子の準決勝で試合を決定づける3点目を挙げた中原心愛(36)を祝福するチームメート



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