清尾淳のレッズ話#306 まだ見ぬ領域へ~新監督、新戦力、新ユニ/ある意味、今季も未知の領域
このYouTube本編で「Jリーグ優勝で、ようやく一人前のクラブになったような気がした」と語っているが、まだJリーグを獲ったことのないクラブが一人前ではない、と言っているわけではない。
ただ、優勝したとき、そう思ったのは事実だ。
というのもJリーグスタート当初、各クラブの担当者が集まって大会のレギュレーションなどを議論するとき、レッズの担当が何か意見を出すとこう言われたという。
「レッズさん、どうせ優勝には絡まないんだから」
こういう言葉だったかどうかはわからないが、優勝に絡んだレギュレーションは強いクラブ同士で話し合うから、絡みそうもないクラブは黙ってて。そんな雰囲気があったと聞いた。
現在、そんなことはないと思うが、たとえば2015年から2年間復活した2ステージ制だが、レッズがそれまでに優勝経験や優勝争いの経験がなかったら、「反対」を言う時にも説得力がなかったかもしれない。
参加するどの大会でも優勝を狙うのは当然だが、当時のスポーツ新聞は「浦和7冠へ」と煽ってくれた。
7冠の内訳は、まず国内でシーズンの幕を開けるスーパーカップ、そして三大タイトルであるJリーグ、ナビスコカップ、天皇杯で、国内が4つ。国際大会でACL、A3チャンピオンズカップ、そしてACLで優勝すれば、FIFAクラブワールドカップの出場権を得られるから最多で3つ。これで7冠だ。
もちろんクラブが公式に「7冠宣言」したわけではなく、代表の藤口光紀さんの囲み取材で、記者が「7冠もありますね」と投げかけて「可能性はあるね」ぐらいの答えをしたという具合だったが、それが景気の良い話になった。
今はA3がないから、頑張っても6冠か。
今年2024年のレッズは獲れても2冠だったが、それも届かなかった。
公式戦は、ルヴァンカップを決勝まで進んだとして9試合。そしてリーグ戦が38試合。
全部で47試合というのも、ある意味で未知の領域だったんだがなあ。