さいしんコラム#1205 あと9試合半でどこまで/三度のWe are REDS!
9月14日のG大阪戦。選手入場に合わせてレッズゴール裏から「We are REDS!」コールが響いた。
キックオフ直前に、聞くことはあったが、入場のときは珍しい。深読みして、マチェイ監督が「マジックスタジアムで『We are REDS!』を聞ける日が待ち遠しい」と語ったのが影響しているのか、とも思ったが、それよりも監督交代初戦で絶対に勝つぞ、という気合の表れ、と受け止めるほうが普通かもしれない。パナスタは別にマジックスタジアムではないし。
そして1-0のまま試合が進み、88分にこの日二度目の「We are REDS!」。
このタイミングで、この場所で、1年前にも聞いた記憶がよみがえる。
2023年Jリーグ第28節、G大阪戦。9月24日だった。先制されて同点弾を放ったホセ カンテが59分に退場。10人での苦しい戦いを余儀なくされたが、68分に岩尾憲のパスを受けた伊藤敦樹の右クロスに逆サイドから走り込んだ髙橋利樹がヘッドを合わせ勝ち越す。そして85分に安居海渡がG大阪DFのスキを突いてボールを奪い、ブライアン リンセンにパス。ブライアンが相手GKをよく見てシュートを決めた。
3-1とリードを広げたが数的不利は変わらず、もし事故的に1点取られたら、相手に勢いが付き、勝ち点3がフイになることもある。チーム全体が必死で守る中、「We are REDS!」コールが響いた。たしかあれは後半の87分だった。
今回は数的不利ではないが、点差は1点。しかもここ6試合勝ちがない。前節の町田戦はアディショナルタイムに同点弾を食らった。
絶対にリードを守り切って勝つ。崩れるのではないかと心配になるくらい、ぎっしりと埋まったビジタースタンド上段から発せられたコールが選手たちに最後の奮起を促した。
終了の笛。コラムにも書いたように、体を投げ出す石原広教、抱き合う西川周作と井上黎生人。そして、この日三度目の「We are REDS!」
入場時とも、終盤とも違う、「やった!、やり切ったぞ!」という思いが胸に去来した。そのときの状況によって呼び起こされるものが変わる、不思議なコールだ。
大事な2連勝とホームでの83日ぶり勝利が懸かる次のFC東京戦。新監督の初戦とは違う難しさがあるはずだ。「We are REDS!」が必要になる時がきっとある。そして試合後にまた聞けることを。