4月28日(2018年) 対湘南、21世紀初黒星
2018年4月28日(土)、浦和レッズは埼玉スタジアムに湘南ベルマーレを迎え、Jリーグ第11節を行い、0-1で敗れた。21世紀になって、湘南ベルマーレに初めて敗れた日だった。
7勝1分けのあとの黒星
ベルマーレがJリーグに昇格した1994年から1999年までの6シーズンで、両チームはJリーグで16回対戦しレッズが10勝6敗という対戦成績だった。そしてベルマーレは2000年からJ2で戦い、再びJ1の舞台に上がってきたのが2010年。それから降格と昇格を繰り返してこの前年2017年までに4シーズン8回対戦してレッズの7勝1分けと圧倒していた。
つまり、この2018年4月28日の試合は、21世紀になって初めて湘南に負けた試合、という言い方ができる。
だから何、と言われればそれまでだが、2018年から昨年2021年までの4シーズンで、レッズは湘南とリーグ戦で8回対戦し1勝3分け4敗。あのコロナ禍で中断する直前、2020シーズンの開幕戦で勝っただけなのだ。ある意味で、湘南との力関係が変わるきっかけになったと言えるのが、この2018年の試合だったとも言える。
オリヴェイラ監督ホーム初采配
今季、2022シーズンの対戦は2-0で、レッズのJリーグ初勝利となったわけで、ここからまた力関係が変わっていくことを期待したいが、それはともかく、この2018年の試合には別のポイントもある。
一つは、オズワルド・オリヴェイラ監督のホーム初采配だったということだ。大槻毅暫定監督が3勝1分けで踏ん張って、この年の勝敗を3勝3分け3敗と盛り返したのに、アウェイで柏に負け、ホームでは過去8試合負けていない湘南に負け、連敗。何やってるんだ、と思った記憶がある。もちろん新監督が結果を出すには時間がかかるし、大槻さんもコーチで残っているわけだから、この2試合をもって新体制にダメを出すつもりはなかったが、やはり湘南に負けたことは少なからずショックだった。
直輝の復帰後リーグ初先発
そして僕がもっとも強く印象に残っているのは、山田直輝がシーズン初めてリーグ戦で先発したこと。そして前半に先制点を挙げるビッグチャンスを迎えたが、それを決められずハーフタイムで交代させられたことだ。
前半18分、拮抗した展開から湘南ゴール近くでフリーの直輝にボールが渡り、シュートを放った。僕はゴールを確信したが、至近距離とも言える位置で湘南GKの秋本陽太にセーブされた。
ケガを繰り返した後、湘南に3シーズン期限付き移籍し、復活してレッズに戻ってきた直輝。この2018年はリーグ戦1試合に途中出場した後、ルヴァンカップ2試合に先発フル出場。この湘南戦は「恩返し先発」だった。
レッズはこの後、前半30分に失点。その1点をはね返せず敗れた。湘南に負けるところを初めて見た人は大勢いたはずだ。あの直輝のシュートが決まっていれば、結果は違うものになっていただろう。
あれが決まっていれば今ごろ…
その「結果」というのは、この試合のスコアのことだけではない。
山田直輝という選手がレッズでの位置をしっかりつかむという結果が生まれていたかもしれない。直輝自身が「あのシュートが決まっていたら自分のサッカー人生は変わっていた」と後日語っていた。
この後、直輝はリーグ戦で短い時間の途中出場は1度あったが、先発はルヴァンカップと天皇杯だけで、リーグ戦では一度も先発の機会はなく、翌2019年7月にふたたび湘南に期限付き移籍し、その後完全移籍となる。湘南で10番を付けて中心選手として活躍しているのを見ると、うれしい半面残念な、複雑な気持ちになる。
直輝に関しては他にも書く日がありそうだから、今回はこれくらいにしておく。
2018年4月28日は、山田直輝のサッカー人生が変わった日というのが本当に言いたいことだが、タイトルにはしたくなかった。
さて、みなさんは2018年4月28日、何をして何を感じていましたか?
※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
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