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清尾淳のレッズ話#280 レッズレディースの誕生/歴史と立ち位置にふさわしい環境を

 ルーツである本太レディースから数えると、レッズレディースは40年以上の歴史がある。
 その中で、日本女子リーグでは4回の優勝、WEリーグで1回の優勝を果たしており、現在はWEリーグ2連覇を目指して暫定首位にある。5月18日にはアウェイでINAC神戸と首位攻防戦を行う予定だ。

 WEリーグ創設から今季が3シーズン目。プロにふさわしい運営が行われているとはまだ言い難いリーグだが、アマチュア時代と大きく変わったのは試合の内容だ。個人技、コンビネーション、戦術、強度、スピードなどが格段にレベルアップした。それというのも、プロ化によって各チームの練習量や指導体制などが充実し、チーム間の力の差が縮まったからだ。
 その中で頂点を競っているレッズレディース。女子サッカー界で、その歴史も立ち位置もトップクラスにあると言っていいだろう。

 だが、ホームゲームの入場者は2,000人前後と、アマチュア時代から大きくは伸びていない。
 2005年、レッズレディースが誕生したとき、埼スタで行われる浦和レッズのホームゲームには4~5万人が詰めかけているのだから、少なく見ても1割の4~5千人が駒場に来てくれるだろうと思っていたのだが、その見通しは甘かった。2009年と2014年にリーグ優勝を果たした後も、入場者が大きく伸びることはなかった。

 WEリーグができて、アマチュア時代に比べて向上したものは、試合のレベル以外にもあり、各試合の入場者数もその一つだ。なでしこリーグ時代は3ケタの入場者が普通だった中で、現在は入場者が3千人近い試合も珍しくなくなった。レッズレディースのホームゲームではない試合で、だ。
 WEリーグ12チームのうち、Jクラブの傘下にあるのは8チームだが、その本体であるJリーグでの入場者は浦和レッズよりかなり少ない。一方、他のWEチームがプロ化によって入場者を伸ばしているのに、レッズレディースは伸び悩んでいる、と言える。
 
 誕生から20年目の今年、その歴史と立ち位置にふさわしい環境を選手たちに提供するために何かをしたい。
 真剣にそう考えている。

 写真は2024年3月27日(水)のWEリーグ第20節vs新潟レディース戦から。この試合に2-0で勝利し、レッズレディースは暫定首位に立った。平日のデーゲームにも関らず、駒場には1,754人が集まった。


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