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さいしんコラム#1211 12月8日/心情を理解できるか
他クラブのことは詳しく知らないが、レッズで言うと、まず人数的には、浦和レッズを応援するサポーター>レッズレディースを応援するサポーターであり、レディースを応援するサポーターのほとんどが、浦和レッズも応援しているはずだ。「浦和レッズだけ」という人は多いが、「レッズレディースだけ」という人は少ないのではないか。
だからレッズレディースを応援しているサポーターの悩みはすごくわかる。Jリーグ最終節の埼スタには「居たい」「行きたい」という要素が強いだろうし、クラシエカップ準決勝は「行きたい」に加えて「(勝たせるために)行かなくてはいけない」という使命感があるはずだ。交通費のことを度外視すれば、後者を選ぶ人が多いだろう。
こんなふうに引き裂かれるような思いの人のことをWEリーグ事務局は想像して欲しい。いや、WEリーグ事務局だけでなく、各クラブから出ている実行委員にも。
僕も、今でなく、準決勝の日程と会場が発表された8月の時点で、これを書いていなくてはいけなかった。そういう意味では、2016年のJリーグチャンピオンシップで、レッズが鹿島に敗れた後に「チャンピオンシップ決勝でアウェイゴール制があるなんて、年間勝ち点1位クラブのアドバンテージが少なすぎるじゃないか!」と文句を言うのと同じかもしれない。
あの2016年も本来、レギュレーションが発表された時点で疑問を呈するべきだった。
J2リーグからの「J1昇格プレーオフ」で採用されている上位クラブのアドバンテージが定着しているのに、それをチャンピオンシップに適用してはどうかという想像力のないJリーグ事務局。そして各クラブも構成員となっているJリーグ運営委員会と同実行委員会に対して。
Jリーグに対しては、あの2ステージ制の2シーズンの教訓を今後の活動に生かして欲しいと思う。イベントや大会の詳細を決定する際には、想像力が必要だ。
でも今回の話は想像力以前の話だと思っていた。
WEリーグ12チームのうち、J1クラブが浦和、東京V、新潟、C大阪、広島、J2クラブが千葉、J3クラブが大宮、長野。また仙台、相模原、神戸など、クラブは違ってもホームタウンが共通するところもある。それを知っていれば、あり得ない話だ。
以前、何かのときに「Jリーグ事務局には、一つのクラブを真剣にサポートした経験のある人はいないのか」と、さいしんコラムに書いた覚えがある。サポーターを相手にしているのに、そのサポーターの心情がわからなくて、どうするのか、と。
今はだいぶJリーグにそういう人も増えてきたと思うし、その経験がなくても配慮はだいぶされていると思っている。あ、2017年以降だけど。
WEリーグも少ない事務局でやっているから大変だろうけど、スタッフにサポーターの心情を理解させるプログラムでも作って研修してもらったらどうだろう。決して無駄ではないと思う。
特に、Jクラブ所属の女子チームを応援しているサポーターって、男子のチームだけを応援しているサポーターより大変だと思うから。