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今年のうちに言おう「こういう浦和レッズの楽しさ」

 2024年12月27日は、やはり浦和レッズの歴史に残る日になったと言っていいと思う。
 「浦和レッズ」=男子のトップチーム、と捉えている人にはピンと来ないかもしれないが、浦和レッズをクラブとして考え、所属する7チーム(男子トップ、男子ユース、男子ジュニアユース、男子ジュニア、女子トップ、女子ユース、女子ジュニアユース)を、すべてレッズファミリーとして意識している人には共感してもらえると思っている。

 この日、行われた高円宮妃杯JFA第29回全日本女子U-15サッカー選手権決勝と高円宮杯JFA第36回全日本U-15サッカー選手権決勝。ダブル優勝とはならず、女子は惜しくも準優勝に終わったが、男子は見事11年ぶり三度目の優勝を果たした。
 それだけではない。女子の決勝と男子の決勝の経過と結果が、浦和側から見て全く裏返しなのだ。

 11時から始まった女子決勝は、レッズレディースジュニアユースが開始早々、セレッソ大阪ヤンマーガールズU-15に先制。後半にも追加点を挙げ、2-0とリードしたが、その後1点を返され、2-1で終盤まで推移した。40分ハーフの後半、3分のアディショナルタイムが終わろうかという時間帯に、DFラインの裏にカウンターから同点ゴールを決められてしまい、延長に。延長後半6分、C大阪の徹底したロングボールにまたラインを破られ、3点目を奪われた。
 2-0からの逆転負けという、悔しさがにじみ出る試合だった(トップ写真はレディースジュニアユースの応援に来たサポーターと、レディースユースやジュニアユースの選手たち)。

 そして14時からの男子決勝では、レッズジュニアユースが開始4分、ガンバ大阪ジュニアユースに先制される。さらに30分に追加点を奪われるが、その直後に1点を返し後半を迎える。両者、チャンスを作りながらスコアが1-2から動かないまま、3分のアディショナルタイムも終わろうとしたころ、レッズがロングスローからチャンスを作り、相手の一瞬のスキを突いて同点ゴールを決める。ラストチャンスの時間帯だった。
 女子の決勝と逆のような得点経過で延長に入ったが、その"裏返し感"がさらに強くなったのが決勝点の時間。そう、レッズに3点目が入ったのは延長後半6分で、女子決勝でレディースジュニアユースが勝ち越されたのと同じ時間帯なのだ。

 2点先行から追いつかれて延長へ。そして延長後半6分に決勝点を奪われて逆転負け。
 2点先行されたが追いついて延長へ。そして延長後半6分に決勝点を奪い逆転勝ち。
 前者がレッズレディースジュニアユースで、後者が浦和レッズジュニアユース。同じレッズファミリーの仲間でなければ、こだわらなかったかもしれないが、僕は大きな悔しさと、今年最後の達成感の両方を味わっただけでなく、この符号に不思議なものを感じた。

 ダブル優勝を心から願っていたし、それができると思っていた。
 残念ながら最高の歓喜は得られなかったが、その楽しみを今後に残しながら、浦和レッズの歴史に一つのエポックを刻んだ日だった。
 男女それぞれの決勝のことを、どこにどう書くか。悩みながら日時が過ぎてしまった。それは年を越してしまうが、2024年のうちに今回のことだけはアップしておきたい。

 女子部門を持ち、そのアカデミーも全国優勝を目指せる力を持つ。そんなクラブだけが味わうことができる楽しさがあることを多くの人に、特に浦和レッズサポーターに知って欲しい。

 ねえ、そうでしょう?
 浦和レッズというクラブは、いつか7チームすべてで全国優勝を果たす日がくるかもしれないんだぜ。

まるでレディースジュニアユースの"敵討ち"のような展開で高円宮杯U-15を制した浦和レッズジュニアユース(2024年12月27日/味の素フィールド西が丘)

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