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さいしんコラム#1175~遠かった平塚と白星/ホームはホームであるんだわ

 あまり勝利がなかったアウェイの平塚戦で勝ったことを取り上げたけど、じゃホームは勝ってるかと言えば、負けてかつ嫌な思い出が残った試合もある。

 一つはコロナ禍の2021年6月20日(日)、J1リーグ第18節。レッズが2-3で湘南に負けた試合だ。
 レッズは、U-24日本代表戦に帯同して、JFAでのPCR検査を受けていて陰性だった鈴木彩艶が先発出場した。本来は「代表活動のためにクラブでのJリーグ公式検査ができなかったけど、JFAの検査を受けて陰性でした」という旨をJリーグの資格認定委員会に申請して、OKを受けなければならなかったのだが、クラブがその手続きを怠ってしまった。

 Jリーグは「出場資格のない選手を出場させた」として規定に基づき、当該試合を0-3で浦和の負けとする処分を科した。
 レッズは「必要な手続きを怠ったことへの処罰なら受けるけど、出場資格のない選手を出場させたというのは違うんじゃないか」と反論し、日本サッカー協会に不服を申し立てたり、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したりしたが、いずれも門前払いで、問題が公の場で再検討されないまま、レッズは0-3という負け扱い試合をやってしまったクラブになった。
 
 この試合、もしレッズが勝ってたらどうだったんだろう、と思うのは僕だけではないはず。当然、CASでの係争事案になるし、その前にJFAがどういう判断をしたのか、さらにその前にJリーグが同じ判断をしたのか。あー、モヤモヤする。今日の写真は、この日の試合前だが、モヤモヤした空でしょ?

 もう一つはさらに前。2019年5月17日(金)、J1リーグ 第12節。2-0で勝っていたレッズが湘南に2-3の逆転負けをした試合だ。
 何もなくてこの結果なら、湘南の踏ん張りとレッズの不甲斐なさを挙げるだけだが、湘南の大逆転の発端は、後に「世紀の大誤審」と言われたミスジャッジだった。
 記者席で見ていた僕も、「ああ1点返された」と思ったシーンだが、なぜか主審の笛は吹かれず、それじゃあ、とばかりにアンドリュー ナバウトが湘南ゴールへ向かってフリーでドリブル。相手GKと接触して負傷退場し、その後3試合を欠場した。

 レッズは、反則を見逃すレフェリーと結託した悪役外人レスラーになったような気分だし、理不尽な仕打ちを受けた血まみれの力道山が奮起し、空手チョップ連発で最後は勝つ、みたいな湘南。そんな後半だった。
 あの誤審で一番迷惑を受けたのは、湘南じゃなくて、レッズでしょ。湘南は2点差をひっくり返すモチベーションをもらい、レッズはFWを失っただけでなく、嫌なムードで後半を迎えてしまったのだから。
 そんな試合でも冷静に勝てるほどレッズは強くはなかったということだ。
 
 あの場面、ナバウトがGKとの1対1を決めていたらどうなったのだろう。3-0になっていてもレッズは逆転されていたのだろうか。

 ところで、さいしんコラムにも出てくる2020年2月21日の試合がVAR適用第1号で、湘南にPKを与える判定だったというのは、すごい偶然だよね。


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