さいしんコラム#1207 危機感の継続/3試合のプレゼンだ
次からは降格の危機から解放されて戦える。
たしかにそうだけど、それが必ずしも良い結果をもたらすとは限らない。さいしんコラムでも書いたようにプレッシャーとモチベーションは裏表。プレッシャーがなくなれば、それと一体であるモチベーションもなくなる。
残留もない。ACL出場圏内の可能性もない。順位は良くても中位を少し越えるかどうか。そんな状態で試合に臨めば、リラックスして戦えて、持てる力を存分に発揮できるという考え方もあるが、弛緩してしまうと勝利への執着心が薄れはしないか、という危惧もある。
まだマチェイ スコルジャ監督の去就は発表されないが、まさか4カ月だけの契約ということはなく、来季の準備を早めにするために、マティアス ヘグモ監督との契約を途中で解除してまでマチェイを監督を据えたのだろうという想像は容易につく。
これからの3試合は、少しでも上の順位で終わるための戦いではあるが、それよりも来季に向けてという要素の方が大事だろう。
マチェイ監督は広島戦後の記者会見で、これからの試合は「これまで出場機会の少なかった選手を使う時間でもある」と答えたが、これは決して「勝敗は二の次でいいから出場機会を」というだけではない。
出場機会の少なかった選手の「自分を見ろ!」というモチベーションが勝利をもたらすことに期待をしたい。チームは残留を決めたが、来季J1での戦いに自分が起用されるかどうかの重要な見せ場なのだ。
そういう意味で、出場機会の少ない選手のサバイバル精神に期待する部分は大きいが、これまで出ていた選手も残留を果たしてホッとしている場合ではない。
来季こそ、優勝に絡むシーズンしなければいけない中で、監督が今の戦力で満足するはずはない。新戦力を含めて、新しい陣容で臨む可能性は小さくない。
これからの3試合は、これまで多く出ている選手にとっても、出場機会が少なかった選手にとっても、真剣勝負で自分をプレゼンテーションする場だ。
さいしんコラムでも書いたように、チームとして「そんなじゃ優勝できないぞ」という危機感を持つと同時に、個人としても「こんなんじゃ来季使ってもらえなくなる」という危機感をモチベーションにして3連勝して欲しい。
トップの写真は広島戦後の「We are Diamonds」のシーンだが、あまり機会がないせいか、ほとんど歌えていない。せめてあと2回は歌ってシーズンを終えて欲しい。