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さいしんコラム#1209 今度はこっちの番/1日遅れの詳細

 昨日、ほぼ同時にアップしたかったのだけど、1日遅れになってしまった。
 10月23日の柏戦を応援に来てくれたレッズレディースの6選手ー5試合ぶりの勝利を持ってきてくれた女神たちを2日に分けて取材したので、そのコメントを紹介する。

池田咲紀子(① GK 32歳)
「柏戦は、絶対に勝ってもらおうと思って行ったので、そうなって良かったです。選手バスのお出迎えもしました。

 Jリーグには私たちにはわからない大変さがあるんだろうと思います。でもレッズは、私たちからしたらすごく恵まれているようなことが、いろいろ当たり前になっていると思うので、そういうところに感謝するとか、初心を忘れずにやるべきことをやる、というのは大切だと思います。実は厳しい環境にあっても、それが男子、Jリーグなんだと思いますから、がんばって欲しいです。

 同じチームなので、お互いに良い刺激、良い影響を与えられるようにしたいと思っています。(西川)周作さんともよくそんな話をしています。
 今日(11月9日・WEリーグ広島戦)勝って良い影響を与えたと思いますから、明日につなげたいです」(11月9日)
・2007年、アカデミー在籍中の14歳でトップリーグデビューし、2011年、正式にトップ昇格。なでしこリーグ・WEリーグ合わせて179試合出場の守護神。シュートストップはもちろん、判断の良い飛び出しや、足もとの技術の高さが見どころ。

伊藤美紀(⑤ MF 29歳)
「柏戦は、すごく戦っている感じがしました。
 原口(元気)さんが入ってきてからは、より前に前にっていう時間帯だったと思うんですけど、チームとしてゴールに向かってるなっていうのがありました。必死で戦っているのは伝わってきて、スタンドもすごい応援でしたし、私たちも結構応援しました。
 最後はすごく劇的な勝利で、やっぱり最後まで勝ちたいって気持ちがあったからこそ、PKを取れた。運っていうところもあると思いますが、でも足を振ったからこそハンドになったと思いますし、(チアゴ サンタナが)あの角度でも足を振れるっていうのは、私も真似したいなって、すごい勉強になりました」(11月9日)
・常盤木学園高校出身で、INAC神戸から2023年、レッズレディースに加入し、22試合出場6得点でWEリーグ優勝に貢献。個人的にはすでにWEリーグ3連覇を達成している。二列目なら左右中央どこでもこなし、ボランチに下がることも。小柄だが球際の強さや正確な技術、チャンスに飛び込む嗅覚が持ち味。

島田芽依(⑮ FW 22歳)
「最後にPKで1点取った試合で、最後まで戦うというところは自分たちもこれまで通り継続してやっていかないといけないな、と柏戦を見て思いました。
 残留が危ないからというより、自分は基本的に行ける日は見に行っています。

 優勝争いをしていたら、かなりモチベーションが高くて、自分たちはやれることが多いかなって思うんですけど、そうでないときにどれだけ高いモチベーションでやれるかは大事だと思います。
 WEリーグの初年度、自分たちは2位でINAC神戸が優勝したんですけど、最終節の前にそのINACと国立で対戦して勝ちました。あの年はホームでINACに負けていましたし、カップ戦でも負けました。だから絶対に今度は勝ってやろう、優勝チームに勝ってやろうというすごく強い気持ちで試合に入ったのは覚えています」(11月12日)
・2021年にレディースユースから昇格。昨季はリーグ戦でチーム2位の9得点を挙げたストライカー。今季は、海外移籍した清家貴子に代わる得点源として期待されている。クロスにニアで合わせるヘディングシュートが武器になってきた。セットプレーでは瞬き厳禁。

高塚映奈(⑳ MF 20歳)
「柏戦、ギリギリで勝てたのは良かったです。グスタフスソン選手の縦パスが絶妙で、ここを通すの? みたいなところが利いていて、見ていて楽しかったです。

 前半0-0で、点も取られちゃいけない、点を決めなくちゃいけないという中で、最後の最後ですけど、PKまで持ってきて、そこで決めて勝つという試合で、スタンドがもう、ワーって沸いたじゃないですか。あんな場面で自分が決めたことを想像すると鳥肌が立ちました。自分もああいうところに立てるようにがんばりたいと思いました。
 レッズは3万人、4万人の前でやれて、自分らに比べてすごく良い環境だなと思います」(11月12日)
・女子サッカーの名門、常盤木学園高校から2023年にレッズレディース入りした攻撃的MF。昨季まで出場機会が少なく、悔しい思いをしていたが、今季は心機一転。アグレッシブなプレーを見せリーグ戦に出場している。球際の強さや、二列目からの飛び出しでゴールを狙うところが見どころ。

栗島朱里(⑥ MF 30歳)
「あのころレッズは、しばらく勝ちを見ていませんでしたよね。なのでゴール裏の方たちが声を出しているのに私たちも加勢しようと思って声を出しました。結果、勝ったのでマジうれしかったです。

 私は2013年にレディースユースからレッズレディースに昇格したのですが、その年はなでしこリーグであまり勝てなくて、私自身は新人でしたけど、開幕戦には勝って、その後ずっと勝てなかった記憶があります。本当にみんなの目が死んでいくのを間近で見ていて、自分は1年目で何が普通かもわからない中、とにかく必死にやってたんですけど、その連敗している時はやっぱり2部に落ちちゃうのかなと思いました。

 だからレッズが先日、広島に勝って残留を決めたときはめちゃくちゃホッとしました。
 私たちが2013年に残留を決めた後もホッとしました。でも、その後もあまり勝てなくて、リーグ戦が終わった後の皇后杯も初戦の2回戦で大学にあっさり負けてしまいました。どこか力が抜けていたのかもしれません。

 レッズも残留が決まったからと、これからの2試合半を消化試合にしてしまったらもったいないと思います。リーグは来季も続いていくわけで、来季に向けた準備としても一つでも順位を上げてほしいです」(11月12日)
・2013年にレディースユースから昇格。本職のボランチだけでなく、チーム事情で左右のサイドバックも務める。強度の高いプレーや、ロングキックでのフィード、ミドルシュートが持ち味。「私ったら、どの立場で言ってるんだろ」と上から目線のような発言になったかもしれないことを危惧していたが大丈夫。30歳はレッズでいうと関根貴大より年長だから。

角田楓佳(⑭ MF 20歳)
「自分は元々柏戦に行く予定で、声が掛かったのでみんなと一緒に行きました。レッズのホームゲームには基本行っています。でも広島戦は行けなかったんですよ。ちょっと体のケアが優先だったので。

 あの前日、私たちのWEリーグ広島戦が駒場であったんですけど、ビジター側スタンドが、あんなにぎっしりだったのは珍しかったです。ああ、明日埼スタにも行く人が多いんだな、と思いました。

 レッズはあと3試合、2.5試合ですよね。私は残留が決まった後の感覚というのはわからないんですけど、残留が決まったのなら、シーズン終わるまでに自分が1年間やってきたことを前面に出していけばいいんじゃないかなと思います。負けていい試合はないし、順位のためにというより、目の前の相手に勝っていくから順位が上がっていくんだと思います。

 埼スタに行った時にいつも思うのは、これだけたくさんの人の前でプレーするってどんなに幸せか、ということです。これだけの人が普通にスタジアムに足を運んでくれるっていうのは、私たちからしたら、すごいことです。
 そして、私もそうですがみなさん勝つところが見たいと思うんです。

 今年もホームゲームはあと2試合ですが、私は最終節の新潟戦は行けないんです。クラシエWEリーグカップの準決勝と重なってしまっていて。22日の川崎戦は、いま考え中です。行くかもしれません」(11月12日)
・2023年、レディースユースから昇格。ボランチのほか二列目でもプレーする。山田直輝を思い出させる、女性版"サッカー小僧"だ。基本的に埼スタには来ているという角田の『たくさんの人の前でプレーするのがどんなに幸せか』という言葉には重みがある。柏戦のときはまだ19歳。翌日が20歳の誕生日だった。

 池田と伊藤は、レディースの広島戦の後に取ったので、柏戦に関してはやや短めになってしまった。
 コメントにもあるように、Jリーグを見に行くレディースの選手は多い。同じ浦和レッズのファミリーとして、そしてレッズファンとして。
 
 これまでMDPで「興梠慎三・菅澤優衣香 ストライカー対談」「堀内陽太・角田楓佳 アカデミー出身新人対談」「西川周作・池田咲紀子 守護神対談」を掲載してきた。本当はもっとやりたいのだが、今のMDPではなかなかページが取れない。あと「○○つながり」、人選の整合性を探すのに少し苦労している。

 同じレッズファミリーであり、今はどっちもプロリーグだ。僕は仕事柄、取材はレッズが最優先になっているが、応援する気持ちは同じだし、取材もできる限り行っている。だから柏戦に彼女たちがまとまってきてくれたのはすごくうれしかった(楠瀬監督やコーチたちも)。それが「ホームゲームはよく行っている」うちの1試合だったとしても。

トップの写真は、柏戦勝利直後の栗島朱里を"隠し撮り"したのだが、その後見つかった。

 ホームゲームの入場者は、レッズがレディースの20倍なのだから、埼スタにはいつも行くが、レディースの試合には行ったことがない人も多いと思う。ぜひ、ファミリーとして行けるときは駒場に行って欲しいし、特に17日の大宮アルディージャVENTUS戦は、多少無理しても行って欲しい。

 だって大宮戦。久しぶりでしょ。


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