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遺産相続放棄できないと言われたのに通った事例

ここでは、絶対無理と言われた遺産相続放棄が通った事例をご紹介いたします。



兄が亡くなり、甥に「○○○ちゃん、やばいよ、お爺ちゃん(2021年に亡くなった私の父)の遺産の名義変更が親父(私の兄)になってないから、自動的に○○○ちゃんが半分引き継いでるよ?」と告げられました。(叔母なのに15歳しか歳が離れていないので、ちゃんづけ 笑)

ガーン、そんなの聞いてない…

もう分からないことだらけ。会計士の甥も初めてのことばかりで二人で調べながら学び、遺産相続放棄をしようということになりました。

なぜ遺産を放棄しようかと思ったか

  • 父の遺産は山の中で、山、畑、一戸建て。15箇所ぐらい。私には何がどこにあるかを把握できていないし、田舎過ぎて売却も難しい。

  • 兄の会社は新しい事業を始めていて、銀行からの貸し入れなど含めると億単位の負債で、アメリカ暮らしの私が借金まで背負って引き継げるものではない。

  • 私がここで遺産放棄をしないと私の子供にも迷惑をかけてしまう。

まず、2021年に父が亡くなり、一緒に仕事をし、暮らしていた兄が全てを引き継いでいると勝手に思っていました。そして、2023年に兄が他界。会社を経営していたので、甥が調べたところ私の父の遺産が未精算である事が判明。父の遺産はど田舎の家、山、畑。私は数回連れられて行ったことがあるだけで住所も分からない。

そして、甥が兄の遺産を放棄すると私に遺産が回ってくるので、父と兄の遺産相続放棄の二つ実行しなければいけないことが判明。が、通常の遺産相続放棄は亡くなった日を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に提出しなければいけないとの事。父が亡くなったのは3年近く経っているので、ほとんどの司法書士と弁護士に放棄は無理だろうと言われました。

が、私は全く納得がいかない。なぜなら、私と父の希薄な関係を背景に、私が遺産を相続し、固定資産税を死ぬまで払い続けるという事態をどうしても受け入れることができなかったからです。

父と住んだ記憶もほとんどなく、足長おじさんのような父。留学のサポートをしてくれたのは感謝しているが、幼い時の母との苦しい生活を考えるとやはり納得いかない。留学してからもお互いに電話し合うこともなく、年に一度帰国すると兄といた父に会わざる終えなかったが、コロナ禍で葬式にも参加できず、お墓参りに行けたのは2年後。

そして、兄のお葬式等を終えて、悲しみに浸る暇もないまま1週間で日本からアメリカへ戻り、毎晩いろんな司法書士、そして弁護士とZoomやSkypeで相談し始めました。辛かった…。

ほとんどの司法書士は、複雑な内容なので弁護士に頼んだ方がいいとアドバイスをしてくださいました。いろんな司法書士さんとお話ししている中で、一人とても親身になってくださる方がいて、家庭裁判所は皆が思っている以上に庶民の味方なので、通る可能性があると言われました。それ以外の方は3年近く経っているので、おそらく無理でしょうという回答。

甥も会計士でありながら、税理士事務所に転職していたので、会社の伝手を使って司法書士に当たってくれましたが、ほとんどの人たちに絶対放棄はできないと言われているということでした。

甥の遺産相続放棄はシンプルな構造だったので、会社の司法書士に任せていいか?と連絡がありましたが、諦めきれずに「助けてくれる弁護士をもう少し探したいから、ちょっと待ってほしい」と伝えました。甥の放棄と私の放棄と同じ人にやってもらった方が事が上手く行くと思ったからです。

いろんな弁護士に問い合わせ、もう諦めかけていた時に、友人が同じタイミングで遺産相続で困っていて、彼女が使っている弁護士を紹介してもらいました。

そして、野崎先生が私と父の関係を把握し、50/50でいけるかもしれない!と言ってくれた唯一の弁護士でした!私は絶対いけると確信していました。通らない方がおかしいとも思っていました。普通に私と父の関係を考えて、遺産を引き継いで固定資産税を支払う義務が私にはないというのは明らか。これが通らなかったら、道徳に反してるとも思ったし、通らない理由がないとさえ思っていました。

そして、数ヶ月後、野崎先生から父の遺産相続放棄が通ったと連絡が。野崎先生に事細かく私と父の関係の書類を作成していただき、私と兄のラインの履歴にもある、父の死に関してのやりとり等を共有し、見事に父の死から3年近く経っていた遺産相続放棄が認められました。

これでやっと日本の遺産を子供達に継がせる事なく回避できたと安堵しました。

ここで思ったのがいろんな弁護士や司法書士。最初から下に見てくる方々。話をあまり聞かずにダメダメ!絶対通らないと言った方々。困ってる人のお手伝い、救いたいという思いがあってのお仕事だと思うのですが、ほとんどの人の対応は、本当に悲しませられるものばかりでした。こういう事態に親身に話を聞いてくれた野崎先生に本当に感謝。メールでのやりとり、Zoomでの打ち合わせなど、嫌な思いする事全くなく事を済ませる事ができました。

一番のポイントは弁護士とのコミュニケーション。弁護士も依頼者の背景を理解できないと、その依頼者がどうしてこのような依頼をしてくるのかっていうのを把握できないのだと思います。自分の家族の背景を話すのは結構勇気がいるというか、話したくない事もあるはずですが、自分の気持ちを添えながら、実際の出来事などを細かく話すと弁護士さんも依頼者の気持ちがわかりやすいのかな?とも思いました。

この事は全くオランダ行きとは関係ないのですが、こういう事例もあるということを伝えておいたら、こういう事で困ってる方の役に立てるのでは?と思い投稿してみました。

世の中捨てたもんじゃない!

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