はるか、27歳、歯科衛生士。彼女の夢見る世界とは
「患者さんからいただく感謝の言葉が何よりもうれしい」
まっすぐな瞳でそう呟く彼女に、18歳の頃の冷めた表情はない。
はるか、27歳。高校からの同級生であり友人だ。都内で歯科衛生士として働いている。
「永遠に続く愛なんてないよ」
女子高生に似つかわしくない言葉が、形の良い口から吐き出される。18歳のはるかは極めて冷静で現実的な女の子だった。棘を持つ美しい薔薇のように、惹きつけ、惑わし、躊躇なく刺す。それは彼女なりの学校や社会への反抗のようにも思えた。
無論、彼女だけで