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わたしのこと 11

今までとこれからを見つめるために
私をもっと深く知ってもらうために

ライフストーリーを綴っています。

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11  両立の壁

娘が1歳、私は横浜で小学校の教員に復帰した。

育児と仕事の両立に燃え、性教育を子どもたちに伝えようと意気込んでいた。

が、いざスタートすると目の回る忙しさで息つく暇もない。毎日をどんなふうに乗り越えていたのか記憶にないほど。それくらい必死だったんだと思う。綱渡りの日々だった。

覚えているエピソードがある。

娘に卵乳小麦アレルギーがあり、私は食事作りに頭を悩ませていた。いつも仕事が長引いて保育園のお迎えが遅くなってしまうので、帰宅後は朝のうちに準備していた夕飯を温めて出していた。娘はお腹が空いてるだろうに、食べずに泣きぐずるし、早くお風呂に入れて寝かしつけないと。どんどん夜遅くなり、持ち帰った仕事の山が頭をよぎる。

つい声を荒げてしまい、どうしたらいいやら分からなくてやるせない気持ちでいっぱいだった。娘がなかなかご飯を食べてくれない。そういう日が続いたある日、お客さんとの付き合いの会食とやらで夫が夜遅く帰ってきた。私はいてもたってもいられず胸の内を打ち明けた。

すると夫は、
「同じようなメニューで飽きたんじゃないの?」
と、実に軽く言い放った。

私は一瞬ではらわたが煮えくり返り、

「こちとら、1分でも長く仕事して1分でも早くお迎えに行って、それでもうまくいかなくて職場でも保育園でもたくさん頭下げて、やっとこさ家に着いて、娘がおいしく食べられそうな食材を考えて朝のうちに準備して、急いで出したのに食べなくて泣いてばかりで、それを毎日やってて、飽きたといって別のものがすぐに出せるわけがないし、そりゃーアンタはいいよ、仕事とはいえお客さんとの会食で好きなものを選んで食べられるんだから!簡単に言いやがって…#%$€@☆!」

夫にぶちまけたら、涙がじゃあじゃあ流れた。
私はいつの間にかいっぱいいっぱいだったのだろう。
娘と一緒にいる時間が少ないぶん、せめて笑顔で過ごしたかった。それすらできていないことへの後ろめたさや無力感がどっと噴出した。

夫とはお互い忙しく、いつも協力しあっていたけれど、それでも分かり合えない温度差があることは苦しかった。とはいえ、本音でじっくり話し合う時間も気持ちの余裕もなかった。

お正月に娘の好きそうなお面を買ってあげたら大泣き。はじめての子育てはわからないことだらけ。私も夫も頑張ってたなぁ。それは夫婦間も同じこと。



母としても教員としても自信やプライドはバッキバキに折れ、両立の難しさに打ちひしがれていた。

そんな中、クラスで「性教育」を元にした授業を実施しようとした。私は念願の授業を子どもたちに届けられることに胸が高鳴った。

ところが、そこでも壁が立ちはだかることになる。



ライフストーリー12へ続きます。


ちなみに毎回まず夫に読んでもらうのですが
「もっと魂の叫びを書いた方がいい」という
アドバイスをもらい加筆しました。笑

忙しすぎて当時の記憶はないのに
夫への恨み辛みだけはアリアリと思い出せるのって不思議ですね。笑

夫のTシャツを干す私


望月さゆりです。

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