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受け取り上手の話

 サロンで施術をしていると、時々物凄く受け取り上手な方がいらっしゃることがあります。そんな方へは、こちらもどんどんお渡ししたくなります。と言うよりも、勝手に施術が深まっていきます。

価値を決めない

 例えば、60分6,000円のマッサージと60分10,000円のマッサージがある場合、10,000円の方が価値がある、と受けとります。使用する化粧品が高価だったり技術の修得に時間がかかっていたり、立地が良いこともあるかもしれません。
 ただ、それは、あなたが受け取っていい範囲が決まっている訳ではありません。6,000円分、10,000円分以上に受け取って、持ち帰ってかまわないのです。施術を提供する側はより良く、よりきれいになって頂けたら嬉しいのですから、お出ししたものを余すことなく受け取ってもらえるのが喜びです。

「期待してないから」

 これはリンパケアとは別の分野で“師”と言える方に施術を受けて頂いた時の言葉です。これまでで、施術を最も有効に受け取っていただいた方です。
 あまりにもすんなりと、わたしの思っている枠を越えた反応があるので、驚いて施術後にそのお話をしたら「期待してないからね」とあっさりおっしゃられてました。「どういうものなのかをそのまま受け取る」とも。
 “期待”はかえって受け取るのを阻むことがあります。「こうなったらいいな」「リンパケアと言えばこう言うものだろう」と言う想像は、同時に“それ以上”や異なる可能性を無意識に排除してしまうことにも繋がります。
 ちなみに「さゆりさんだから体を委ねた」ともおっしゃって頂きました。安心して身を任せられる場所を持っておくのも、受け取り上手に繋がる一つの要素ですね。

何だかわからないけど尊敬に値する

 話は変わりますが、師匠と言うのは弟子には価値が計り知れないものだそうです。
 「この人のもとでは、これこれこういうことを学べる」「これは就職に有利だ」と、大学のシラバスのように学ぶ前から予測できるのは、“師” ではない。学ぶ前から結果が分かってしまっていますからね。
 「この人についていって、果たして何を学べるのか今の私には想像もつかないが、とにかくついて行こう」と思えた人が “師” を得ることができる。今の自分では想像もできない世界を、見にいく術を見せてもらえる。
 今の私には計り知れない、だからこそ教えを乞う意味がある。そんなことのようです。それは飛躍すれば、相手に関わらず自分の姿勢で受け取れるものは無限大にひろがるとも言えるのかもしれません。

まとめ?

 価値を自ら狭めないでください。と言うことをお伝えしたかったのですが、何となくでも伝わりましたでしょうか。
 物でも体験でも尊敬する方でも、自分が出した対価以上をじゃんじゃん受け取ってかまわないわけです。施術にしても、カイドウのように『値段<価値』となっているサービスは沢山あります。プロはどなたにでも一定の価値を提供してくれます。そして、それを越えてどれだけ受け取るかは、受け手次第でとても拡がりのあるものです。
 沢山受け取るために敢えて対価を増やす方法もあります。そして、受け取りきれていないことがまだまだ沢山あることにも、少し目を向けてみると、世の中が少し楽しくなると思っています。

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