東京から小豆島へ、地域おこし協力隊1年目を振り返る【地方移住】
2022年8月、地域おこし協力隊として任期2年目に突入。
私が東京から小豆島へ移住して満1年、という節目でもある。
今回の記事では、離島へ移住して「地域おこし協力隊」として活動した任期1年目のまとめを綴っていく。
この記事は?
地域おこし協力隊とは?
まず、「地域おこし協力隊」の制度をご存知ない方は、こちらをどうぞ!
ミッションとこれまでの仕事
地域おこし協力隊の個々の「ミッション」は、各自治体の募集ポジションによって異なる。場所によっては「フリーミッション」といって、「この地域であなたができることを考えて何かやってみて!」という、その名の通りの超フリーなミッションを課せられるところもあるとか。
私の場合は、下記のようなミッションを軸に活動している。
■職業
土庄町地域おこし協力隊 漁業振興担当
■所属
香川県土庄町農林水産課
■主なミッション
漁業をメインとした第一次産業(農業、林業、畜産業)に関するSNSでの情報発信やイベント企画
■これまでの仕事
○ 会社員としてのキャリア
・ネットワークエンジニア
・Webディレクター(日本、台湾)
○ 個人事業主としてのキャリア
・Webディレクター
・Web、デザイン、映像制作のディレクター(PM)
・日本企業向け台湾進出サポート
・台湾企業向け日本進出サポート
・YouTuber(台湾、トルコ、日本)
・SNSコンサル(台湾、日本)
・WebやSNS運用関連のセミナー講師や登壇
・映像クリエイター
地域おこし協力隊は、自身のこれまでのキャリアやスキルを活かしながら、地域活動をしている隊員も非常に多い。私のケースにおいても、任期1年目に出来たことの半分以上に、これまで培ってきた自身のスキルを活かしてきた。
なぜ、地域おこし協力隊に?
「田舎暮らし」「地方移住」、そうした言葉に興味がなかった私が、「離島へ移住しよう!地域おこし協力隊、やってみよう!」と思い立った理由はいくつかあるのだが、その中でも特に思いの強かった理由は下記の3つだ。
地域おこし協力隊に応募した理由
・自分のスキルが活かせると思ったから
・もっと日本を知り、届けたいと思ったから
・チャンスとタイミングを前に、直感を信じて動いてみようと思ったから
なお、昨年の着任直後に、地方移住の決め手や、地域おこし協力隊になった理由について紹介した記事全文はこちら。お時間のあるときにぜひ。
なぜ、土庄町に?
なんで東京からこんな田舎まで来たん?(笑)
移住後に地元の方から必ず尋ねられる質問だ。
田舎はたくさんあるけれど、なぜ、土庄町だったのか。
土庄町に移住した理由
・初めての小豆島訪問で滞在したのが土庄町、その時の印象がとても良かった
・島暮らし初心者の私には、離島の中でも買い物どころやアクセスの利便性が良い土庄町がマッチしそうだと思った
・地域おこし協力隊の募集内容で求められることと自身のスキルがマッチした
・協力隊応募後、母の介護のことで一緒に移住することも視野に入れた上で相談した際に、町の方々や役場職員さんたちがとても親身に相談に乗ってくださった
※様々な条件や状況から島内への移住は難しく、母は昨冬に東京から香川県内の介護施設へ移住
地域おこし協力隊、任期1年目に出来たこと
地域おこし協力隊、任期1年目の活動実績をまとめてみた。
■イベント企画
① 地魚ブランド「小豆島島鱧®︎」のPRを兼ねた漁業振興『タベルノクラスの社会科見学』
【開催日】
2021(令和3)年10月30日(土)・11月14日(日)
【企画概要】
・「Zoom」を使用した全国参加型オンライン食育イベント
・全国の4歳〜中学3年生までの親子、定員20組を対象として参加者を一般公募したところ、即完売
急遽追加10組を募集、こちらも即完売!
結果、計30組の親子が全国からオンライン参加
・地魚ブランド商品を参加者へ産地直送
・地元の親子にも調理に参加してもらい、全国の参加者と一緒に調理、実食
・漁港から鱧の様子を生中継
・質問コーナーではチャットを通じて、全国の参加者と地元漁師、漁協職員が交流
・土庄町内(小豆島、豊島)の観光スポットを撮影したPR動画の視聴タイムを組み込み
「土庄町へ行ってみたい!」を引き出す
・ふるさと納税取り扱い返礼品も併せてPR
出来上がった島鱧のかまぼこと地元の調味料を合わせて実食して見せることで、ふるさと納税返礼品も知ってもらう
【結果】
・「魚に対する興味が湧いた」「以前よりも魚を進んで食べてくれるようになった」など、子どもの反応が良かった
・小豆島島鱧の認知度が向上した
「知らなかった」から「知っている・食べたことがある」へ変化
・イベントで使用するために用意していた分以上に、追加で鱧商品の注文が入った
・例年開催されていたイベントが中止になる中、地魚ブランドを外向けにプロモーションできる機会がなかったが、この企画を通じて全国の参加者へのPRが叶った
・メディア取材: 1件(四国新聞)
② 地魚ブランド「小豆島島鱧®︎」の学校給食提供企画
給食×動画×ICT×YouTubeライブで漁協から生中継
【開催日】
2022(令和4)年7月13日(水)
【企画概要】
・学校給食とICT、YouTubeライブ配信を掛け合わせた取り組みとしては全国初(2022年8月25日現在)
・学校給食提供当日に、町内全小中学校にて漁の取材動画を視聴
・動画視聴後、生徒のタブレットでアンケートと質問募集(協力:土庄中学校)
・給食時間に漁港から生中継、集めた質問にも回答(協力:土庄中学校)
ICT教育を取り入れた今後の取り組みのヒントが見えた
・小豆島島鱧の認知度が向上した
町内: 全小中学校と児童・生徒のご家族へ拡散
町外: メディア報道で全国へ拡散
・前回のオンラインイベントのノウハウが様々な部分で応用できた
【結果】
・生産現場の取材動画を視聴したことにより、食材への興味がわき、
この日の給食を残す児童や生徒が少なかった、との報告あり
・「おもしろかった」「またこんな企画をしてほしい」など
児童・生徒たちの反応は好感触
・学校の先生方からも「思っていたよりも簡単で手がかからなかった、こうした形であれば今後も協力可能」との声があがった
・メディア取材: 2件(四国新聞、西日本放送*)*日本テレビでも報道
■情報発信
発信メディア
① 地域おこし協力隊のSNS
2021(令和3)年12月以降に、当時の現役隊員のうちSNSの共同運用が可能な隊員が交代で、各自週1回ずつの更新を目標に運用をスタート。
◯ 土庄町地域おこし協力隊 Instagram
@tonosho_tiikiokoshi
情報発信 計 45件 ※私の投稿のみの合算
・フィード投稿(写真+テキスト) 11件
・動画投稿(動画+テキスト) 9件
(うち、リール動画 3件)
・ストーリーズ 25件
投稿 計 25件 ※私の投稿のみの合算
② 土庄町公式メディアとSNS
活動の中でも特に町公式のメディアでオフィシャルにお知らせしたい情報については、土庄町の公式ホームページのお知らせ(新着情報)に掲載させていただき、より多くの方に活動報告記事(=note)をご覧いただけるよう、記事への動線を設けた。
寄稿記事 計 2件
全隊員がほぼ毎月、交代制で寄稿している町の広報誌「広報とのしょう」の「地域おこし協力隊コーナー」。任期1年目は、年2回ほど寄稿した。
地方移住して知ったのは、地方自治体発行の広報誌の地域における情報拡散力は都会の自治体広報誌よりも圧倒的にパワフルである、いうこと。
この広報誌の掲載があった後は、
「広報に載ってた地域おこしの人やんな?」
と、町民のみなさまに声をかけていただいたり、役場まで電話をくださり熱い思いを語ってくださった方もいらした。
地域の広報誌読者年齢層は、全国共通で比較的に高め。土庄町の人口の6割以上は55歳以上。情報発信をWebやSNSのみに絞ってしまうと、SNSユーザー層以外の町民のみなさまには情報が届かない。
町の歴史を築いてこられた先輩方に広く知っていただくには、Webプロモーションが中心となっている昨今においても、広報誌という情報発信ツールは欠かせない。発信したい情報の性質と、情報を届けたいターゲットに馴染みある方法で情報を手に取ってもらうことの必要性を感じた。
私のミッション「漁業振興」と「ふるさと納税」。
一見、そこまで関係がなさそうに見えるが、この町には「小豆島島鱧®︎」という地魚ブランドがあり、その他にも私が所属する農林水産課に関連する地場産物がふるさと納税の返礼品としてたくさん出品されている。
ふるさと納税の運用やプロモーションを担う企画財政課と共に、農林水産課に関連する地場産物を中心にそれらの魅力を知っていただくべく、ふるさと納税担当者や企画財政課所属の地域おこし協力隊員らと課を超えて協力。
料理上手な人、元広告代理店経験のある人、テーブルコーディネートセンスが抜群な人、動画が撮れる人、と、幸い得意なことが活かせるメンバーが揃っていたので、個々にアイデアを持ち寄って撮影。
家庭での調理方法をよりイメージしやすいよう、おすすめレシピを再現して紹介したり、より幅広い層にカジュアルに情報が届くよう、商品写真や料理写真に加え、インスタのリール動画用素材も合わせて撮影したことで、より幅広く、カジュアルな方法でのプロモーションにも対応できる素材をストックすることが叶った。
「行政は縦割りで堅め」
一般的にはそんな印象が強いだろうし、実際に県内だけでなく他エリアの協力隊員と交流すると、行政との摩擦に悩む話もちらほら。
しかし、私が土庄町の行政側で地域おこし協力隊として仕事をさせていただく上で感じたのは、土庄町は数多ある地方自治体の中でもトップクラスの柔軟性を持っているということ。ありがたいことに、担当職員さんたちに理解があり、課を超えた取り組みにもとても協力的であることが大前提としてあることに加え、面白そうなアイデアはどんどんチャレンジしていこう!という行政としての思いも感じられる。
投稿動画 計 7本
(内訳)
・漁業振興 3本
・地域おこし協力隊募集説明会用 2本
・農林水産課 学校給食関連 1本
・他課依頼により制作 1本
・ショート動画 1本
③ 香川県地域おこし協力隊メディア「さぬきの輪」
活動やnote記事のシェア 計8件
都道府県自体で協力隊を募集するところは全国でも数少ない。しかし、香川県には幸い、私たちのような県内の各地域に点在する協力隊員をまとめる県所属の協力隊員がいる。
県の協力隊員は、県内の隊員同士を繋いでくれたり、隊員の相談窓口になってくれたり、また、県内の隊員の活動をメディアで発信してくれたりと、私たち各地域の隊員をサポートする役割も担っている。
香川県地域おこし協力隊のWebメディア「さぬきの輪」に活動を掲載してもらうことで、土庄町での活動をより広く知っていただける機会が増える。そこで、ここぞ!という発信については、自ら県の協力隊員さんへご連絡し、情報シェア協力をお願いした。
県の決裁を通していただいた上で何本も情報をシェアくださった県の協力隊員、海野さん(2022年3月卒業)、浅野さんには、この場を借りて改めて感謝をお伝えしたい。
④ 自身の既存SNSアカウント
「土庄町地域おこし協力隊」公式SNSは、土庄町や小豆島をはじめとした香川県内居住者、小豆島ファン、県内外の地域おこし協力隊、地方移住に興味があるユーザーなどが主なフォロワーやターゲット。
そのため、地域の情報を発信した際の親和性は高いが、地域に繋がりや興味のない一般ユーザーへの拡散が難しいことが課題。
その点、自身の既存アカウントについては、着任前から台湾、日本での約4年ほどのYouTuberとしての活動と連動させて運用してきたため、「私の活動や発信をチェックしてくれる人」がメイン。YouTubeには3万人、Instagramには約4千人以上の、土庄町のことをご存知ない方が大半を占めたファンやフォロワーがいる。これを逆手にとって、より広いオーディエンスへ、様々な角度からの情報発信ができるというメリットがあり、既存アカウントでも並行して情報発信していきたい、というのが着任当初の私からのプレゼン内容であった。
しかしその後、土庄町地域おこし協力隊のSNSを交代制で運用する運びになったこともあり、自身のSNSを使った発信は、地域を深掘りした情報発信と親和性の高いnoteのみに絞って運用する方向に切り替えた。
○note
noteでは、そのプラットフォームの性質から「文章で、より深く情報を知りたい人」をターゲットに、Instagram、Facebook、TwitterなどのライトめなSNSには向いていない、収まり切らない情報量をまとめている。
また、noteでは、取材対象者の方から伺ったお話だけでなく、一移住者である私個人の視点も大事にして書くようにしている。
発信している情報をキャッチしてくださるほとんどが離島生活をしたことのない人であるからこそ、読者と同じ視点でこの町を捉えながら、雑感も交えて丁寧に落とし込んで発信することを大切にしたいからだ。
公開記事 計 14件
・地域おこし協力隊
・漁業振興
・地方移住と地域文化
・地域おこし協力隊インタビュー
・生産者インタビュー
・地場産物とふるさと納税
・観光
○ SAYULOG Instagram
@sayulog_official
投稿 計 26件 ※小豆島や土庄町に関する投稿
(内訳)
・写真+テキスト 9件
・動画+テキスト 3件(うち、リール動画 3件)
・ストーリーズ 14件
■その他の活動
○ 土庄町プロモーション動画の制作TIPS講義に登壇(2021年10月29日)
土庄町と域学連携事業提携をしている香川大学の地域活性化授業の一環で、土庄町のプロモーション動画を制作する際のTIPSやアドバイスを含めた講義の依頼があり、オンライン登壇。動画撮影におけるTIPSなどをオンラインで2時間ほど学生たちに講義。
後日、土庄町に来町した際に学生たちの元を訪ね、撮影の様子や観光スポットなどの情報交換をした。
○ 地域おこし協力隊募集説明会の現役隊員クロストークに登壇(2021年11月3日)
土庄町地域おこし協力隊の新たな仲間の募集に際し、オンラインで開催された募集説明会の現役隊員クロストークコーナーに参加。
当時、卒業を控えていた商工観光課所属・アウトドア振興担当隊員の後任募集にあたり、同隊員のアウトドア振興の活動内容に関する発表や、活動の裏側、その他の現役隊員らが自身の協力隊の活動や移住生活、地域のことなどについてトーク。
現役隊員の生の声を応募検討者らに伝えることで、移住後、また、着任後をイメージしてもらいやすいようにと企画されたコーナーで、参加者からの積極的な質問にも、現役隊員としてお伝えできることを精一杯お答えした。
▼登壇した地域おこし協力隊説明会の告知ページ(募集終了しました)
○ 地域おこし協力隊の退任活動報告会用動画の制作(2021年11月11日)
2021年11月末で土庄町地域おこし協力隊の3年の任期を満了された立屋一美さん退任直前の活動報告会での報告動画の企画、制作、編集に協力。立屋さんの3年間の活動の様子がより伝わりやすくなるよう、動画にした。
○ ふるさと納税PRのライブ配信(2021年11月28日)
ふるさと納税担当の企画財政課より協力依頼があり、全国の島々が集まる祭典「アイランダー2021」のオンラインライブ配信の企画立案に協力、また、当日のライバーとしても出演させていただいた。
漁業振興の一環として、小豆島島鱧®︎をPR。また、そうめん、オリーブ、小豆島オリーブ牛などの土庄町ふるさと納税人気返礼品から、さつまいもなど地元の旬の返礼品まで、職員さんにもご協力いただきながら実食レポを中継。30分という限られた時間の中で、土庄町のおいしいものをたっぷりと紹介。
○ 香川県関連のYouTube番組への出演(2021年12月)
香川県内の地域おこし協力隊をゲストに招き、着任の経緯や活動についてトークするYouTube番組「さぬきの輪TV」と、香川県のオープンイノベーション拠点、Setochi-i-Base(セトウチ・アイ・ベース)企画の香川県内の気になる人をゲストに経歴や活動について深掘りするトーク番組「キニナルセトウチ」に出演。
積極的にメディアへ出ていくことで、地域おこし協力隊の活動や、土庄町のことを知っていただける機会を広げていった。
▼キニナルせとうち(2021年12月10日出演)
▼さぬきの輪TV(2021年12月27日公開)
○ 地域おこし協力隊初任者研修への参加(2021年12月、2022年1月)
全国や四国エリアの地域おこし協力隊がオンラインで参加する研修に参加。主な研修内容は、協力隊としての姿勢や心持ち、求められることのインプット、協力隊卒業生、地域活性化を研究されている有識者、民間企業で地方へ拠点を移した、または起業した経営者ら、登壇者の講和を聞きながら、成功事例や失敗談、課題のインプットなど。
協力隊として地域で活動するだけでは他地域の活動情報がなかなか入って来ないこと、また、研修でのグループワークがなければ県外の隊員と関わるきっかけがないことから、こうした研修へ参加できる機会をいただけたのはいい経験となった。
○ 地域おこし協力隊募集説明会用動画の制作(2022年5月15日)
2021年11月に他課からの依頼により制作した地域おこし協力隊募集説明会用動画。こちらが「動画があることで活動の様子がより伝わりやすくなった」と好評だったことから、農業振興担当、移住定住促進担当、の隊員募集に際し、新たな動画を企画、制作、編集。
今回は、岡野能之町長にもご協力いただき、町長と募集ポジションに携わる現隊員のインタビュー、その他の現役隊員と卒業隊員らの活動、土庄町の映像もこれまでの取材ストックや追加撮影を行い、町のこと、活動のこと、隊員らのことがより伝わる仕上がりを目指した。
○ ハモプロの活動に同行(2022年7月28日・29日)
土庄町と域学連携事業提携をしている京都産業大学の現代社会学部、塩谷ゼミ「ハモプロ(ハモプロジェクト)」による企画で、町内での子どもの魚食普及を目的とした活動へ同行。活動の様子は、土庄町地域おこし協力隊SNSにて発信。
大鐸こども園にて開催した、小豆島島鱧がテーマの絵本読み聞かせとお魚探しゲームは子どもたちに大好評。子どもたちが学生さんに、以前漁協で見学したハモの話を積極的にしていたり、終始楽しそうだったことがとても印象的だった。
○ 小豆島町の漁業振興担当隊員との交流・情報交換(2022年1月・5月)
隣町で同じく地域おこし協力隊・漁業振興担当として活動されている本田美咲隊員を1月に訪問、5月には本田さんが土庄町庁舎へ来訪された。
互いの活動について情報交換をする中で、本田さんが得意な料理、私が得意な情報発信やイベント企画で、任期中に両町で何かご一緒できればという話題もあがった。
1月の小豆島町庁舎訪問時には、私が台湾に住んでいたことと映像クリエイターであるという共通点から、台湾から帰化され、映像クリエイターとして協力隊として着任された白沢佳倫隊員にもご挨拶。活動についてお話を伺った。
○ 小豆島町の地域おこし協力隊との情報交換会(2022年4月25日)
小豆島町、土庄町の両隊員の情報交換会に参加。隣町とはいえ、移住定住促進や観光振興でなければ、なかなか島内で一緒に取り組みができる機会が少ない私たち。当日は、10名以上の隊員が集まり、個々の活動を紹介。両町でご一緒できる可能性を探りながら、交流を深めた。
○ 香川県内の現役隊員からの相談・情報交換(2022年5月・6月)
県内の他エリアで活動されている現役隊員さんによる情報交換を主とした来訪や、漁業振興以外のプロジェクトへの協働のご相談、自治体としてSNSを開設・運用する際のご相談をいただくこともあった。
ありがたいことなのだが、漁業振興とは外れたご相談が続いたため、職員さんと相談。以降は、漁業振興のミッションから外れすぎる内容については、協力隊の活動としては見送らせていただく形に落ち着いた。
○ 豊島食プロ・プロダクトデザイン&制作ディレクション(2022年5月・6月)
前職でWebやデザインのディレクション経験があったこと、女性視点の意見がほしい、とのことから、農林水産課が関わる「豊島食プロジェクト」の「棚田の米粉パンケーキミックス」のラベルデザイン制作のディレクション、食プロのロゴを使ったプリントトートバッグ制作のディレクションに携わらせていただいた。
なお、この素敵なラベルデザインとロゴデザインは、土庄町地域おこし協力隊OG「ハレヶ山商店」立屋さんのデザイン。
○ 豊島食プロ・リーフレットデザイン (2022年6月)
前述の豊島食プロの新商品「棚田の米粉パンケーキミックス」の販売にあたり、家庭での楽しみ方をイメージしやすくなるようにと、米粉パンケーキミックスのレシピをリーフレットに落とし込み、販売時に商品と一緒に配布することを提案。
デザインは自身の本業ではないため素人感が出ているが、オリジナルリーフレットのデザインを担当、制作。
○ JA香川県と地元ブランド「小豆島のいちご」認知拡大を目的としたSNS連載企画を協働 (2022年7月〜12月)
土庄町農林水産課、JA香川県さまご協力のもと、地元のブランドいちご「小豆島のいちご」の認知拡大を目的としたSNS連載企画を立案。
12月の初出荷まで、いちごづくりの様子を月1回、SNSでリアルタイム発信しながら、「小豆島のいちご」のブランド認知拡大を目指す。
以前、いちごの取材をさせていただいた土庄町地域おこし協力隊OBの新屋貴之さんにご紹介いただき、JA香川県さまにご協力をお願い。町内の取材先農家さんへのご連絡や取材立会に協力いただいている。
また、この土庄町地域おこし協力隊との協働企画については、JA香川県の小豆地区エリア誌8月号にも掲載いただけた。
○ 小豆島釣りキャンプツアー企画に協力 (2022年7月末・催行中止)
都会の子どもたちを自然いっぱいの小豆島でのびのびとめいっぱい遊んでもらい、釣りや自然を楽しむことで土庄町をふるさとのように感じてもらいたい、というコンセプトで、オンライン食育イベントでご縁ができた株式会社ティンカリングタウンさんが2022年7月最終週に5泊6日で運営を予定されていた「小豆島釣りキャンプツアー」の現地視察や企画立案に協力。
参加人数が満たなかったため今回は惜しくも催行には至らなかったが、自身で魚を釣ることが魚食普及の一環にもなること、土庄町の自然溢れる環境が子どもたちの成長のきっかけになることを、子ども企画のプロと関わらせていただいたことで改めて知るきっかけとなった。
良かったところ
●複数のSNSメディアを使って、町内外に情報発信ができた。
●町としてこれまでできなかった新たな取り組みに挑戦することができた。
- 全国と地元を繋ぐオンライン食育イベント
タベルノクラスの社会科見学
- 生産者の取材動画を使った学校給食企画
小豆島オリーブ牛 学校給食提供
- 生産現場の取材動画+YouTubeライブ配信
小豆島島鱧 学校給食提供
- 生産現場や生産者インタビューの情報発信
SAYULOG note 記事
土庄町地域おこし協力隊 Instagram
- リール動画を使った情報発信
土庄町地域おこし協力隊 Instagram
- 実食動画やレシピ紹介などSNSに寄せたふるさと納税素材のストック作りと情報発信
土庄町地域おこし協力隊 Instagram
SAYULOG note 記事
- ライブ配信でのふるさと納税プロモーション
アイランダー2021
- 地域おこし協力隊の活動を動画で発信
地域おこし協力隊募集説明会用動画
●所属課以外の業務も率先してお引き受けすることにより、他課や様々な人たちと仕事をさせていただくことで、各セクションの業務や役割、連携や協働の可能性が見えた。
●漁業のみならず、農林畜産業についても知見が広がり、情報発信できた。
1年目の課題と解決策
●ミッション以外の業務を受けすぎてしまった
この町では私のことを知っている人はいない。
まずは覚えていただかないと!知っていただかないと!
それに、せっかくお声がけいただいたことは、正直、前向きに参加させていただきたいし、出来ることならお役に立ちたい。
そんな私の思いやスタンスと、地域おこし協力隊初任者研修でも「1年目は、振られる仕事は全て受けるべし!」というお話もあり、職員さんと相談の結果、「土庄町のためになることで、私が出来ると判断したことで、業務範囲を逸脱しすぎない案件であれば、相談の上、お受けしてOK」という方向で合意をいただいていた。
しかし、そのスタンスでいたがゆえに、他課からの依頼や取材案件を受けすぎてしまった私。あくまでも「ミッションが最優先」なのに、結果、自分の業務をパツパツにしてしまったと反省。
今振り返ると、そんなプレッシャーと緊張感を抱えながら、1年目の大半を過ごしていたと思う。とにかく必死だった。
1年目の終わりに職員さんとの相談し、改めて擦り合わせをさせていただいたことで、現在は情報発信スピードが格段にアップした。
●取材回数に対してアウトプットの速度と量が少なかった
年間の取材回数80回以上に対し、アウトプットまでの速度が遅く、アウトプットの情報発信件数が少なかったことが反省。
これは1年目の当初の成果指標を「noteでの情報発信」と設定してしまったことと、新たな環境と立場での情報発信をする上で制作過程にかかる自身の工数が予測しきれていなかったこと、前述の「業務パツパツ状態」が大きな原因である。
こちらも1年目の振り返りの際に職員さんたちと相談。成果のアウトプットを従来のnoteだけでなく、地域おこし協力隊のInstagramやFacebookでのフィード投稿、リール動画、ストーリーズ投稿にも広げることで、情報発信スピードと量を格段に改善することができた。
地域おこし協力隊2年目に向けて
地域おこし協力隊1年目。
振り返ってみると、多岐に渡り、いろいろなことに挑戦させていただけた1年だった。
残念ながら、この記事に載せられるまでの結果に到達できなかったプロジェクトもいくつかあったし、大変なこともゼロではなかった。
けれど、この1年を総評すると、楽しかったことの比重の方が大きい。
それもこれも、土庄町の地域のみなさん、行政のみなさんのサポートと温かさがあったからこそ。
また、私の場合は特に日常的に大家さんご夫妻とのコミュニケーションがあったことも心強く、小豆島に家族がいるような、私にとって大きな支えであったと感じている。
任期2年目。
協力隊としてどんな風に活動していくかと共に、この先の自身の生き方についても改めてしっかりと考え、準備を始めなければならないフェーズに立っている。
任期後に企業へ就職される方もいるというが、私の出会った同町の隊員、県内外の隊員の方々は、起業して自身で生計を立てていく道を選んでいる方が非常に多い。
もちろん、自分の力で生きていくのは容易ではない。私も自分のスキルを使ってビジネスをしていく予定でこの町に来たものの、協力隊の活動や地域の生活、予想外だった母の再入院など、とにかく日々のことで精一杯。自身の今後への準備が手付かずの1年目であった。
地域おこし協力隊の任期は最長で3年。私たちが協力隊として活動できる時間は有限であり、その先は自身で切り拓いていくしかない。
「3年」というのは、長いようでほんの一瞬。その間に私が出来ることは、可能な限りこの町で頑張るみなさんの情報を発信し、町内外のみなさんに知っていただくきっかけ作りをすること。自分の得意なこと、出来ることで、少しでもこの町やお世話になった方々へお返しできたらと思う。
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最後まで読んでくださってありがとうございます。
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noteではこんなことを発信しています。
・YouTubeではお話できなかったことや、企画、撮影の裏側
・これまで住んでいた台湾、オーストラリア、トルコなど海外で気づいたこと
・東京出身の私が移住した小豆島のこと
・個人の活動と並行して携わらせていただいている地域おこし協力隊のこと
・30代の私が直面している親の老後や介護のこと
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