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「ちいさなくらし」第12号 ── 暮らしに根差した音楽を


 「ちいさなくらし」も第12号になりました。細々と続けられていて、とても嬉しいです。

 軽井沢での演奏会も、無事に終演しました。お会い出来た皆様方、ありがとうございました!

 楽屋からの風景。冬の軽井沢は雪が舞い、とても美しかったです。

 帰りには、峠の釜めしをいただきました。いつ以来かしら……。懐かしい味を愉しみました。

 いまは、24日のクリスマスコンサートに備えて準備中です。好きな歌ばかりなので、とても楽しみです。

 お席は残り、テーブル席ひと組様のみとなりました。皆様方のご予約、ありがとうございます。

 こうして久しぶりに、歌手としての毎日を過ごしているうちに、自分らしい心地よさを少しずつ取り戻しています。そうしているうちに、来年からの新しい働き方のビジョンが少しずつ見えてきました。

 今日は、来年からの新しい働き方のビジョンについて書いていきたいと思います。




暮らしに根差した童謡教室、うたごえ広場やサロンを


 来年からは演奏活動と並行して、暮らしに根差した童謡教室、そしてうたごえ広場やサロンを様々な地域で育てていこうと考えています。

 具体的には、こんな感じで考えています。

①ファミリー向けの童謡教室

 昔懐かしい童謡や唱歌を伝えていく活動。長くやりたかったことのひとつです。腰を据えて、ファミリー向けの童謡教室を育てていきたいです。

 絵本の読み聞かせや、リトミックの要素も入れた音あそびも挟み込みながら、次の世代を担う子どもたちの情緒を育むお手伝いをしていきたいです。

 長く、信頼していただけるような教室運営を出来るようになりたいので、保育士の資格取得も視野に入れています。保育士、実はこの一年の間、迷っていた資格でした。一度はやめようと思ったのですが、この一年、子どもたちと携わる仕事をしているうちに気持ちがやはり傾きました。

 これから子どもたちと携わる仕事をしていくなら、責任を持つ意味でも資格を取ろうと考えています。2025年度は日程的に受けられないのですが、2026年度の受験に向けて、時間をかけて準備を重ねていきます。


②シルバー世代向けの健康うたごえ広場

 シルバー世代向けの健康うたごえ広場。これには、深い思いを抱いています。

 コロナ禍以前に、実家のあった江戸川区で「すみれソングクラブ」といううたごえの会を、月に一回開いていました。懐かしい昭和歌謡などを歌いながら、ストレッチや呼吸法などを通じて健康増進をはかろうとしていた「すみれソングクラブ」。ありがたいことに、たくさんの方々に愛していただきました。

 台東区では「藤の会」というボイストレーニングの会の指導に十年ほど携わっています。50-80代の方々がいらして、現在は春の発表会に向けておひとりずつの指導をさせていただいています。

 コロナ禍以前は、新宿にあったうたごえ酒場の「家路」さんに、よくお邪魔しておりました。お世話になっている方がお連れくださり、常連の皆様方とご一緒に、楽しい音楽の時間を過ごしておりました。

 また夫の母と姉はピアニストなのですが、音楽指導のかたわら群馬でうたごえ教室を開いています。最初知ったときには嬉しく、うたごえの話で盛り上がりました。

 気づくと、私の人生のかたわらにはいつもうたごえの存在がありました。そしてうたごえを、もっと大事に育てていきたいと願うようになりました。

 一昨日もちょうど、豊島区でうたごえ講座の講師をつとめてきました。

 会場が鬼子母神さまの近くなので、行き帰りにいつもお参りさせていただいています。

 昨日はクリスマスソングを皆様方とご一緒に歌いながら、ストレッチや呼吸法にも取り組みました。皆様方の笑顔や、講座が進むにしたがって深く明るい響きになっていくお声を聞きながら、「ああ、私はこの仕事が本当に好きなんだなあ」と幸せになりました。

 これからも、長く続けていきたい仕事です。

 春からは、夫の母と姉の教室を見学したり、いまも続く「家路」さんの会に参加したりしながら、研鑽を深めていきたいです。


③40-50代向けのうたごえサロン


 これも長いこと、やりたかったことのひとつです。40-50代向けに、90年代の曲を中心としたうたごえサロンを開いていきたいのです。

 これまで頑張ってきて、今もたくさん頑張っている同世代の憩いの場を作りたいとずっと願っていました。ずっと好きで、歌えるようになりたかった歌を、思う存分に歌ってほしいんです。

 ミスチルやサザン、TRFやglobeなどをみんなで歌い上げるうたごえサロン。魅力的な声や高音を出せるようになるレッスンも交えながら、ちょっといいビールやソフトドリンクを片手に、週末のリフレッシュタイムを過ごしていただきたいと願っています。

 今回、最初に動き出したのが、このうたごえサロンの企画でした。不思議と、スルスルと動いています。応援いただくお声や、楽しみにしているというお声もいただいています。

 今週は、会場候補となる場所の見学にお伺いします。とても楽しみで、仕方ありません。Get Wildをかっこよく弾けるようにする練習も始めたいです。アスファルトをみんなで切りつけたいです。


きっかけは整体の先生の言葉


 こうして、うたごえのことを仕事として具体的に考えられるようになったのは、お世話になっている整体の先生あってのことです。

「さゆさんは、童謡教室とかやらないんですか? そういうのは、いやですか?」

 先生が、ふともらしました。

「童謡教室ですか。やってみたいなって気持ちはあるんですが……あ、でも、以前にうたごえ教室はやっていたんですよ。いまも先輩世代向けのボイストレーニングの教室や、うたごえの講座では指導しているんですよ」

「うたごえもいいですね。なんとなく、さゆさんの性格に合っているんじゃないかって思ったんですよ。子どもたちと、お年寄りが交流できるような優しく明るい場を作ったりすることって、さゆさんに合っているのかなって思ったんです」

「ああ……確かに、本当にその通りですね。たぶんそれ、すごく私に合っていると思います」

 こんなやりとりがあって、気付くことができました。そして、考えを深め、進めることができました。

 コロナ禍までは、うたごえ教室だけでなく、合唱の指導や音楽教室での指導にも携わっていました。コロナ禍ですべてがなくなって、でも、それでも生きていかなければならないと思って、音楽とは関係のないさまざまな仕事をやってきました。行政書士を目指して、法律の勉強をしていた時期もありました。模試を受けに行って、受験当日のイメトレをしていたことを懐かしく思い出します。

 でも、暮らしを変える話が持ち上がって、さまざまなことをゼロから考え直さなければならなくなって。これからどうやって仕事をしていこうかしら……と考えたときに、整体の先生からこのアドバイスをいただきました。さながら天啓のようでした。

 来年一年は準備の年と位置づけて、再来年から本格的に動き始めていきたいです。保育士の資格受験も再来年。それまでに、しっかり勉強していきます。

 個人レッスンのお話も、少しずつ舞い込んできました。レッスンはとても大好きな仕事なので、嬉しいです。先日計算してみたら、これまでにのべ3,500人以上の方の個人レッスンをしてきたことに気が付きました。レッスンでは、心と体の癖を取るお手伝いをさせていただいていると感じています。心と体の癖を取ると、その人らしい声が響き始めるんですよね。響き始めるその瞬間が、大好きです。


もう一度、音楽に


 そんなわけで、来年は音楽の仕事にあらためて本腰を入れることになりそうです。いろいろなことがあったけれど、自分は音楽の仕事をするのが好きなんだと気がつくことができて、よかったです。

 ぐるっと数年かけて大回りして、自分らしい働き方に気がつくことができました。軌道に乗るまではいろいろあると思いますが、その過程も自分らしく楽しみながら、自分らしいペースで働き続けていきたいです。

 書いていく小説も、少しずつ変わっていきそうな気がしています。そして、無理のない方向に人生がどんどん進み始めているのを感じて、深いところでわくわくしています。


 それでは、また。今日も穏やかな日をお過ごしくださいね。




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