公務員という生き方
魂の欠片の詰まった本。まさに、そう形容するのが相応しい本です。
福島太郎さんが著された『公務員になりたいと思った時に読む本 ─公務員とは職業ではなく生き方です─』。
公務員を目指す方々に向けて書かれた『公務員のタマゴに伝えたい話』をリライトされて、ビジネス実用社からこのたび、ご出版なさいました。
読み終わったときには、自分が公務員だったらどんな未来があったのだろうと思い巡らせていました。自分の性格や資質に、公務員という職業はもしかしたら合っていたのかもしれない。太郎さんの本を読んでいるうちに、そんなふうに感じられたのです。
コロナ禍の一時期、行政書士を目指したこともあったのですが、それも地域に根差して、公の利益のために働きたいという気持ちから湧いてきた動機でした。 自分のなかにはもともと、そうした資質があったのかもしれないな……と、太郎さんの本を読みながら感じました。
太郎さんの本の中でとっても頷いたのが、「法令等は守るものではなく、使うものです」という文言。そう、法令等は理解して、使ってこそなんぼのものだと考えています。これは公務員を目指す方々へのメッセージでもありますが、市井に生きるわたしたちにとっても同じです。とっても嬉しくなりました。
全編通じて、太郎さんのお話を聞いているような心持ちになりました。馴染みが薄い分野の話もありますが、そこもわかりやすく、踏み込んでレクチャーしてくださいます。行政という仕事への理解の粒度が細かくなりました。
夫も熱心な読者です。包みが届いたとき、「ちょっと読ませて」とわたしよりも先に手に取っておりました。「読んだら次に貸してね」とウズウズしております。急かされるように読み終えました。
公務員という生き方。それは、公の幸福のために奉仕する生き方でもあります。そこに高潔さを感じます。
太郎さん、公務員という生き方の魅力を全身全霊で伝えてくださって、ありがとうございます。