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シューマン作曲リーダークライス作品39

4月25日に演奏させていただく、シューマン作曲リーダークライス作品39。アイヒェンドルフの詩による歌曲集です。

その対訳をまとめました。


こうしてまとめて概観してみると、俳句の世界とも通じるものが大きいな…と感じています。アイヒェンドルフの詩は自然を豊かに描写している一方、その中に、時にシニカルな視線も垣間見られます。

文学にも精通していたシューマンは詩句の編集も加えながら、ひとつの世界を構築していきました。この作品は、シューマンが妻クララと結婚した「歌の年」1840年に作られました。1840年には《ミルテの花》、《女の愛と生涯》や《詩人の恋》なども作られ、歌曲という表現様式を得たシューマンの多作ぶりからはクララとようやく結婚できた喜びが伝わってくるようです。

同じ「リーダークライス」の題名を持つ作品24と比較すると、作品39の音楽はより瑞々しく、シューマン独自の世界を生み出しています。音楽にシューベルトの影響が色濃く感じられた作品24と違い、作品39においてはより自由に、さまざまな音楽上での冒険も試みています。

私が特に好きなのは、12曲目の「春の夜」。歌曲集の終曲に置かれた「春の夜」は非常に華やかで、愛する人と結ばれる喜びが溢れんばかりに歌われています。父親からの反対に負けず、クララとついに結ばれたシューマン自身の喜びが、この曲に詰められているようで、歌っていても非常に幸せな心持ちになります。

この曲集に初めて取り組んだのは2022年7月。その頃とは見える景色がまったく変わりました。2年の歳月を経て、懐かしくも新しい旅路を歩み続けています。自身の成長と共に、作品への理解や音楽性をこうして深めていけることがとても幸せですね。






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