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映画『オクジャ』の感想

まず最初に感じたことは "食べる" ことへの感謝の気持ち。動物にも親がいて本能的に生きていこうとするのは当たり前。子豚を託すシーンは生き物としてのエネルギーを大量に浴びた気がした。

私がこの作品を観て、ヴィーガンになろうとは思わなかった。これまで通り、命に感謝をして美味しくいただこうと思ったのだ。

命に関する意見は主張することが難しく感じる。安楽死や自死の選択など人間の命の話となると安易に発言できない。ただ、動物を殺していただくことに関してハッキリ主張できるのは、この事象が当たり前であるからだと思う。

生まれてからこれまで、動物を食べるということが当たり前だったから、常識だったから、日常会話のように主張できてしまう。
もし、この世界に動物を食べると言う文化がなければこの映画は違って見えただろう。殺してまで食べるべきではないと主張していたように思える。それは私がマジョリティ的意見を大切にしてしまう傾向にあるからだ。

今自分が感じたことは生まれ育ったルールや価値観のもとで形成されていると思った。

だからこそ、生まれる場所や時代が違えば当たり前の基準も価値観も変わってくる。感じ方は人それぞれでそれを否定することなどできるはずもないのだ。

最近、アドラーの心理学の本を読み直したタイミングということもあって、自分が感じたことを大切にしようと思った。周りの意見を知ることも必要かもしれないが自分が感じたことを否定しないように、自分自身を受容できるよう生きていきたい。

1つの映画をいつ観るかで得られるものが変わるのはすごく面白い。ポンジュノ監督作品はすごく好きだからもっといろんな作品を味わいたいと思った。

                浅野紗幸

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