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わたしたちはカメ止め!を見て反省をしないといけない。

「お盆」とは一体何なのか。1年以上会ってない家族に、久しぶりに顔を見せようと思ったのだけど、いろいろありましてお盆は都内で過ごすことになった。

せっかく🐼と過ごす時間がまあまあできたので、話題の「カメラを止めるな!」を見てきた。私の世界に見えるすべての人が高評価だったので、これは楽しみだ!と思って見に行った。

結論から言うと、とっても面白かった。それは間違いない。ネタバレが世に広まる前に、ぜひ、映画館に足を運んでほしい。

ただ、私はとにかく前半、死にかけていた。

前半、ゾンビがニセモノだとわかっていても、私はグロい描写が苦手で、リアルな描写に初めて吐き気と冷や汗にうなされた。
一生忘れないと思う。映画をみながら「ビニール袋を持ってくればよかった…」と頭の中で思ったし、汗が止まらなすぎて身体異常だった。

みんな、あんなに絶賛しているひとばかりだけど、ホラーだけどコメディーで、ある側面ではヒューマンドラマというか家族ドラマで、いや、本当に面白かったからもう1度見たいなとか思う自分もいるんだけど、

「え?前半みんな平気だったの?👼

と思わざるを得ない。私がただの貧弱だったのか?誰か教えてほしい…

とにかく最初に「体調不良」になった私は、おそらく制作チームからすると思う壺だったと思う。私の精神はまんまと下がるだけ下がったのだが、その後の展開にうまく転がされてしまった。ずるい脚本と演出だと思った。見終わった私はとにかく疲れていた。夫は、この疲れが心地よいと言っていたけど、私はとにかく一息つきたかった。映画を見ながら「一息つきたい」と思ったことは、これからの人生にもあるのだろうかと問いたい。

と、ここまではカメ止め!の、ネタバレをギリギリ防ぎたいという気持ちを引っさげながら、できるだけ忘れないうちに書き留めた記録だ。
我ながら薄いけど、作品ももちろんのこと、それが「無名な人たち」という集団で作られたことに、ただただ敬意を払いたい気持ちでいっぱいになった。

上野のパルコヤにお昼すぎに見に行ったので、映画を見終わってから1フロアくだって昼飯を食べ、その後しごとの打ち合わせへ向かう。

🚗🚗🚗

打ち合わせを始める前に、そこで「カメラを止めるな!見てきたんですよ。」と言ったら
「チケット取れたんだ!すごいね。」と言われたので
「いやいや、結構今上映館多いので今なら全然とれるんですよ。」と続ける。
スマホで上映館を検索しながら「ほんとだ、最初2,3館とかだったよね?ここまで広げてすごいね。」と言われたあと、続けてぼそっとこう言われた。

「巨額な広告費をかける時代はおわったよね。そしてそういうものでなんとかなると思っている人は反省したほうがいいよね。」


「カメラを止めるな!」は本当に面白い。あの作品の世界にみんなまんまと引っ張り込まれ、そのよくできた作品そのものへの感想が後を経たなかったけど、私の中ではあの日「反省したほうがいい」という事実のほうが重要だったように思う。私は大いに反省した。

口コミから広がった、と言われるけど、自信をもって作られた作品だからこそ、商業映画の予算とはきっと比較にならない予算の中で、試行錯誤をしながら、口コミを作っていくための努力が垣間見られる。(詳しくは夫🐼のnoteもぜひみてください

話題が多様に広がるうえでのハッシュタグの多さ、事前の上映会などのとりくみや話題作り、どれもこれもすごい努力が垣間見れる。

でも一番重要なのは、「関係者が楽しそう」ということだ。監督はもちろん、出演者も。映画が彼らを中心とした祭りになっている。 #ポンデミック という流れてきたキーワードがそれを物語っている。俳優陣のツイッターも。


「ルールだからできない」「予算がないからできない」「タブーだからできない」と言えばキリがない。でも、楽しいところには人が集まる。みんな、そういう経験を忘れている。一方で言い訳があるところには「楽しさ」があるのかなと思うと、多分ない。ないから言い訳しているのかもしれない。そしてそういう判断をしながら社会人生活をしていくと、「楽しいからやろう」という価値観は、「会社の中ではできない」と、みんな諦めがちなのではと思う。

確かに金をかければ安心でもある。だけど、「金をかけないとできない」わけじゃない。そこを忘れてはいけない。そして、それを言い訳にしちゃうのなら、目の前の事象を楽しくできてない自分を反省しないといけない。

そういうことなんだと理解した。そして私も反省した

「カメラを止めるな!」のみなさんは、このムーブメントを作れると信じていたし、それは楽しいからで、私たちはこのムーブメント自体に巻き込まれて楽しんでいる。そう考えるとめちゃくちゃ悔しい。そしてみんな、そうある姿を求めていたり、憧れていたりする。だから、ここまで広がっているのではないか、と思う。


「あー、カメラを止めるな!めっちゃ面白かったよね!」と言いながら、また言い訳が始まる日々に帰る人達は、もう一度この映画を見て反省したほうがいいのだと思う。「楽しかった!」で思考停止したらいかんのだよ。自分たちの身の回りが、面白くあるためにね。


自分を止めるな!ポン!!!

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山田小百合
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