ああ麗しの沖縄
先月、2週間ほど沖縄に滞在していました。メインの目的は暖かい海でのサーフィンだったのですが、車をレンタルして本島北部の山間部、「やんばる」にも足を伸ばしました。
辺戸岬
地元の方々にお話を聞きながら、とりあえずはと本島最北端の辺戸岬へ。今回の拠点としていた沖縄中部の北谷からも、海沿いの一般道を流して2時間弱かかりました。太平洋と東シナ海を望む断崖絶壁からは、天気さえ良ければ奄美群島の与論島や沖永良部島を見ることもできます。僕が訪れた日も天気は良好。「沖縄と鹿児島って意外と近いんだなあ」と水平線に浮かぶ与論島を眺めます。
この辺戸岬、かつては本土復帰を願う集会が開かれており、現在はその復帰闘争の歴史を語り継ぐための「祖国復帰闘争記念碑」が建てられています。ちょうど記念碑の前でいっしょになったオジーたちは、祖国復帰の記念碑上空で沖縄発着の米軍機が飛びかう現状を指して、名ばかりの「祖国復帰」を嘆いていました。辺戸岬へと向かう道中も、宜野湾や嘉手納の米軍基地の横を通り、その大きさに圧倒されながら、「沖縄返還とは」と考えざるをえません。この記念碑は地元住民(おもにオジーたち)によって管理・修復がなされているのですが、当然この活動は高齢化の波をもろに受けています。沖縄の青い海と白い波に向かって、「なにも解決していない」と言わんばかりの「祖国復帰闘争碑」は、今日も辺戸岬に佇んでいます。
ちむどんどん
今日から始まった新しいNHK朝ドラ『ちむどんどん』。まだアメリカ統治下にあった沖縄で、やんばるに暮らす家族の物語が展開していきます。
ヒロインを演じる黒島結菜さんや、そのお母さん役の仲間由紀恵さんは沖縄出身の名女優。僕は『トリック』や『ごくせん』を観て育った「仲間チルドレン」ですので、心躍るキャスティングに感謝しつつ、しっかりした女性を演じる仲間さんに多少の違和感を感じてしまいます。
沖縄の滞在に合わせて、岡本太郎の『沖縄文化論―忘れられた日本』を読んでいました。太郎が沖縄の人々を指して以下のように記述しています。
どこまでもおおらかで人が良くて、だからこその図々しさや痛々しさもはらんだ沖縄の人々の美しさ。沖縄返還50周年の今年、この島がもつ目に痛いほどの色鮮やかさと、歴史的悲哀をはらんだ美しさについて、あらためて考えてみたいと思います。