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ものづくりの生産背景に興味を持ったきっかけの話。


これは、自分の中の核となる部分の話。
ずっと何年もうまくまとめられなかったけれど、先日赤澤えるさんの会社設立の文章を読んで思考がフル回転するスイッチが入り、まとめる事ができた。
記録として、noteに記します。





        🐾  🌳  🐾



幼い頃から動物が大好きだった。
犬が好きで、愛読書は犬の大図鑑。将来はドッグトレーナーになりたいと思っていた。
そんなある日、姉が猫を拾ってきた。その猫と一緒に暮らすことになった事をきっかけに、犬だけではなく動物全体に興味を持つようになった。



ある時朝日小学生新聞でWWFの存在を知り、そこから野生動物の問題を知った。
動物の皮を使ってバッグを作ることが許せなかった。
ひどい飼育環境でただ死を待つのみの動物たちを見ていられなかった。
高級な服は、動物を生きたまま苦しませてできていることを知った。
それらの事を知った小学3年生の時から、野生動物と人間が共生する事が夢になった。





この事がきっかけで服の生産背景に興味を持ち始め、知れば知るほど胸が苦しくなっていき、一時はお肉が食べられなくなった。
お肉を目の前にすると、動物が泣いている声が聞こえるような感覚を覚え、手が止まってしまうのだ。



でも


ファーがついている服を可愛いと思う自分、
レザーは末永く愛用できる品質だと分かっている自分、
お肉が美味しいと思う自分。
そんな自分がいることは確かで、考えれば考えるほど正解はない。そんな矛盾に苦しくなり、その事を頭のそっと片隅に置いた。それが中学の終わり頃。
そうしたほうが楽だったから。逃げた。



けれどやっぱりそれはわたしの中で人生最大の問題提起で、そこから目を背けちゃいけないと思った。
正解なんて無いけれど、その問題と向き合い続けることが大切だと思い直し、大学ではできるだけ動物の生態や環境問題についての授業(幅広く学ぶ学科だったので数は少なかった)、ゼミを選んで、学んだ。



"食物連鎖で人間はどこに位置しているんだろう?
わたしは1番下にいると思っているけど、ピラミッドの中に入っていないとか、1番上だと思ってる人がいるんじゃないかな。だから動物を乱暴に扱ったり、ものとして見ている人が一定数いるんじゃないかな。だから残虐なニュースが絶えないんじゃないかな。"



"日頃食べているお肉はどこかの誰かが殺したからわたしたちの手に渡って食べる事ができている。わたし自身の手を使っていないから、その事がどこか他人事に感じている。野生動物と、対等になりたい。対等になって向き合った時、自分はどう感じるのか、知りたい。"


そう考えるようになった頃、本屋でたまたま畠山千春さんの"わたし、解体はじめました"を見つけた。それまで猟師といえば娯楽のために動物を獲る人達だと考えていた私は衝撃を受けた。そんな人達ではない。むしろ、野生動物と1番対等に向き合っているのは猟師ではないかと思い、里山に行き、猟師の方と山へ入り、熊を自分の手で解体した。生きるため、食べるためだったから不思議と嫌悪感はなく、ただ必死に指示通りに刃を動かした。
この経験をしたことで、どこか他人事に感じていた事が、自分事になった。
見えない部分も知りたいと一層思うようになった。


(熊を回収しにいく時の写真)




また、大学の環境問題についての授業でオーガニックコットンの話題が出た。その授業で、フェアトレードやピープルツリーの存在を知った。
里山について学んでいくうちに、農家の方が低収入であることが気になっていて、農家の収入を増やしたいと考えていたところだった。
なので、一気にフェアトレードについて興味を持った。

(何かに興味を持つと、本を買う。)


そうしているうちに、生産背景が見える服、ものに心が惹かれるようになった。
そしてそれを伝えようとしてくれている人たちからものを買おうと思うようになった。




作った人がどういう想いを込めたのか、どれだけ愛を込めたのか。そこに触れると、心がぽかぽか暖かい気持ちになる。
大切なものは、大切にしたくなる。
それはとっても幸せな連鎖反応で、それを広げていきたい、繋げていきたいと、自然と思うようになった。



だから
大切だと思うものを、どんどん増やしていきたい。
好きだと思うものをたくさん見つけていきたい。
そして周りに広めていきたい。
そうやって、生きていきたい。









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