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カルタヘナ法改正案のパブコメについて
研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号)の改正に先立っての意見募集について
2024年12月27日23時59分締め切り
環境省
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=195240082
同じ内容で文科省もパブコメ出しています。
文科省
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=185001398
これらのパブコメはいわゆるカルタヘナ法の改正案で、組み換え遺伝子ベクター宿主など、ウイルス実験用動物とウイルスの組み換え実験用の規制に関するもの。
再生医療等安全性確保法におけるワクチンの取扱いの話し合いがされた感染症部会 議事録の中にも、カルタヘナ法の名前が出てきます。"使用に際しては、再生医療等安全性確保法では除外されることになるにしても、カルタヘナ法の基準は満たしている必要があるという理解でいいか"
中野氏発言。mRNAワクチンは遺伝子治療なので、当然関係してくることになります。
https://mhlw.go.jp/stf/newpage_42942.html
https://mhlw.go.jp/stf/newpage_42942.html
再生医療安全性確保法の改正案の問題点については以前の記事に。
木原功仁哉弁護士が“特例承認の違法性、6回も接種を推進したことの違法性、DNA汚染とカルタヘナ法違反など、考え付くすべての主張を盛り込んだガチンコの薬害訴訟”をやっていると言っておられますが、カルタヘナ法はmRNAワクチンや人工ウイルスなど調べていくと出会う重要な法だと認識しています。まだ日が浅いのであまり知識がなく、今は関係あるんだなー程度なのでそのうち突っ込んだパブコメが出せるようになりたいのですが。
で、アーロン大塚さんはこんな発言をされています。
接種者はカルタヘナ法違反で海外渡航禁止?
仮にmRNAワクチン注射で人間の遺伝子が組換ることが決定的になればカルタヘナ法違反で接種者は海外旅行できなくなるのかな? GMO医療品の例外はあるが、シェディングをするGMO人間は改変された生物(LMO)であれるが、医療品ではないため適用されるのかな?
カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え生物(LMO)の国境を越える移動に焦点を当て、生物多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼさないよう、安全な移送、取扱い及び利用について、十分な保護を確保するための措置を規定している。遺伝子組換えを一律に禁じるものではないが、リスク評価に基づいて適切な管理を行うことを目的としています
この点については、生物多様性センターにおいてある資料がひとつ回答になるのかなと思うのですが
https://biodic.go.jp/bch/download/law/070401law_manual_ver5.pdf
https://biodic.go.jp/bch/download/law/070401law_manual_ver5.pdf
カルタヘナ議定書の解説から分かることは、【ウイルスもこの法では「生物」に含まれる。対して、ヒトは行動を制限するのが妥当ではないため「生物」に含んでいない】ということです。つまり渡航は制限されない。拡がり放題、ですかね。
今回のパブコメが重要だと思う理由
これ、実は少し前に【遺伝子組換え生物等の第二種使用等】というワードが入ったパブコメがありました。
「研究開発に係る主務大臣が定める人の生命若しくは身体の保護のための措置又は非常災害に対する応急の措置として、緊急に遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする必要がある場合を定める件」の案に関するパブリックコメント
2024/10/23〆
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=185001391
公布時期は令和6年末ごろということで結果はまだ(12/15)。
内容はざっくり言うと「新型インフルエンザ等感染症に該当する感染症が指定されている間(=感染症危機=“有事”)認可済施設で新しくそのウイルスの研究を始めるのに届出〜認可は後回しにしていいですよ」ってことになると思います。
それから、ワクチン開発とカルタヘナ法についてもこんな情報がありました。【2021年4月7日にカルタヘナ法改正を新コロ枠特例承認8日前にしており、遺伝子導入細胞の製造に用いられた非増殖性遺伝子組換えウイルスの残存や、製造時に発生し得るRCVの残存について、ほぼザルになると訴え】
https://blog.goo.ne.jp/akari520/e/a6e86f43c05caa179d5d5c04804658c9
カルタヘナ法でうろうろ探してたらこういうのもあったのでメモ。
遺伝子治療用ウイルスベクターの shedding
厚生労働科学研究成果データベース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2007/074041/200735014A/200735014A0005.pdf
カルタヘナ法関係漏洩事故では「光るメダカ」が有名、あと最近見たパブコメでスギ花粉ペプチド含有イネの栽培許可延長とかありました。グリホサート耐性の農作物の開発もやってますね。
まとめ
残念ながらパブコメ意見を出しても、修正・中止させるような指摘ができていないのが反省点でしょうか。数だけあっても、官僚が回答できる内容なら意味がないのはわかっています。こちらからしたら屁理屈でも理屈は理屈。ワクチン定期接種の時だったか、結果公表前にホームページが更新されてきたので文句を言ったら、「審議会の承認を受けて進めているので、問題ない。パブコメ軽視という意見は今後の参考にする」と。