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2023年2月、首長への手紙

 先日は会議に出席し、間近でご挨拶させていただきとても嬉しく思っております。

 早速ですが、委員の方々から言及がありましたように、子どもたちのマスクが実質的に外せない環境になっている事、とても不安で心配に思っています。

 秋に保護者アンケートを行なっており、その回答で、複数、マスク着用・アルコール消毒による影響を心配する保護者の声が寄せられていました。また、行事の縮小、中止、人数制限が厳しく、もっと参観の機会や人数を増やしてほしいとの希望を書かれている方もありました。
 それを受けて、子育て課や教育委員会へマスクの着用は義務や強制ではなく咳エチケットの一つであることの周知やマスクをつけていない人に対して強要や差別をしないように『どうしてマスクを着けていないのか(命に関わる場合もある)』が分かるような広報をしてほしいこと、行事の実施などの要望がある事をお伝えしました。

令和5年1月27日には『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症法に基づく私権制限に見合った「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とは考えられないことから、新型インフルエンザ等感染症に該当しない』と第70回厚生科学審議会感染症部会にて答申され、マスクの着用や高齢者施設等の面会制限、行事の規制などは緩和・撤廃の方向で今まさに進んでいるところです。卒業式・卒園式でのマスク推奨についても10日には通知が出ると報道されていますが、犬山市長から先駆けて「笑顔など表情の見える式典を送っていただきたい。マスクなしの思い出をつくってあげたい。『マスクは外しちゃいけないんだ』という心のマスクも徐々に外してあげたい。」というメッセージと児童生徒(合唱の際も)・教職員・保護者にマスクの着用は求めないという通知が保護者宛に発出されています。
子どもの3年は長く、表情が隠れる事に安心を覚えて“マスク依存”になっていたり、思春期の「みんなと一緒がいい」や「自分は不細工なんじゃないか」、「顔を見せた経験がないから恥ずかしい」などでマスクを外す事ができなくなってしまっている子どもが多くいるようになってしまっています。民生委員さんも、同じように子どもの発達などに及ぼす影響を心配してくださっていて、子どもを地域で見守ってくださる立場からのご発言とても嬉しく思いました。

 私は2021年2月18日に小5の児童がマスクを着用した五分間走で死亡している事をとても重く見ています。教委からは体育でマスクを外せない場合は活動させない事にしていると聞きましたが、熱中症や体育、合唱などの命の危険がある場合に自ら判断してマスクを外せない心理状態なのはとても恐ろしく感じます。また、実際には慣れすぎてマスクを外さず体育に臨んだり外遊びに参加する場合もあるようです。教職員がいつも見ていられるわけではありません。
 見ていると小3以下は入学時からマスク生活でマスクを外す経験がなく、外そうとも思わないでつけている様子がありました。思春期の恥ずかしさとは別で、深刻な状態だと思います。

 私は今後10年20年の学校教育はとても厳しくなるだろうと考えています。マスクや声を出さないなどの指導で体力や溌剌さが落ちているのがわかります。公民館さんも「子どもの元気が以前よりなくなっている」という趣旨の発言をされていました。
 子どもたちに潜在的に植え付けられた“自分も他者もバイキンだ”という意識を除き、人との関わりに肯定感を持てる若者に育てなければ、今後もコロナ対策禍で増えた自殺や摂食障害、不登校や問題行動は減らないと考えています。

 まずはマスクを外せる雰囲気づくり(苦しかったり痛かったら外していてもいいよと声かけ、外している大人が普通にいるなど)、子どもたちへの“マスクを外す指導”、そして自分と違ってマスクをしている/いない事を責めたりしない事など人権尊重の指導、またそれについての家庭の理解が必要です。

 会では保護者におたよりを出しました。事前に役員・各長で検討して内容を吟味しましたが、人権尊重される町にしたいという趣旨に否定の声はなく、多少の修正を加えて内容を決定する事ができました。配布後にご意見をいただく事はありませんでしたが、マスクをつける人もつけない人も尊重して受け入れる社会にしたいというメッセージは伝わったと考えています。

 卒業式卒園式に向けて、自治体として是非一刻も早く外せない子どものメンタルケアに取り組み、“マスクを外す練習”を取り入れていただき、当日子どもたちが笑顔を交わせるように準備していただけると嬉しいと考えています。来年度以降には、例えば幼・小・中を縦断して子どもや保護者を見守る職員の採用・配置なども考えていただけると良いのではないかと思います。

 また、先日は首長とせっかくお話しする機会をいただきましたが、前でご挨拶される時などは距離もありますしマスクを外していただけるとお顔を覚えて帰れたのにと少し残念な気持ちがあります。今度お会いするときは笑顔を見せていただけると、わがまちの未来を明るい気持ちで考えられると思います!

今年度はたまたま役をいただき、町内の保護者のご意見を聞く機会、会議にて他の子どもと関わる職の方のご意見を聞く機会があった事はとてもありがたかったです。
いろんなことを考え、悩む一年でした。わがまちの子どもたちの未来が明るいものであるように、願っています。

令和5年2月吉日

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