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内閣感染症危機管理統括庁へ意見送付

内閣感染症危機管理統括庁作成の広報・啓発資料

令和6年12月16日(月)
広報資料
「基本的な感染対策」「感染症危機への備え」「感染症に関する偏見・差別」についてのリーフレットを制作しました





と、言うことでこれらポスターを見て思ったことを送りました。

送付意見

感染対策の広報について考えさせられる出来事があり、メールさせていただきました。
今後感染対策を呼びかける場合には、「他者にうつさないため」の対策は入れないのが良いと考えます

2025年1月18日午後、電車内でアイスピックのようなものを男性に突きつけて脅迫したとして、医師の男が逮捕されたというニュースが報じられました。
男性が電車内で咳をしたところ、医師の男が「これ以上せきをしたら殺すぞ」などと言いアイスピックのような物を突きつけた、というのが事件のあらましとのこと。

花粉症や喘息であっても、食べ物がひっかかっても、柔軟剤や洗剤のにおいがしても、生理的反射で侵入してきたものを排出するために咳は出ますが、この数年の感染症対策の呼びかけで皆咳をすることは「悪いこと」であると刷り込まれてしまっています。体質や持病などでマスクの着用ができない人もおり、咳が出る時にはマスクではなくマスク以外の咳エチケットをしようと個人で判断しているとしても、その人の体調や体質に配慮なく他人にマスクをさせたいと思って行動に移す人がいるのです。

記事についたコメントには、
「ウイルスを撒き散らすのは犯罪のはずですが」
「せき=アイスピック同様」
「いや、でも/咳エチケットもさ/ちゃんとしてくれよって思うよ?/暴行傷害罪で捕まってくれないかなって本気で思う」
「ノーマスクで咳してたらやられて当然だろ。/それで他人の命奪うんだから。」
「目の前でウイルスばら蒔かれきれちゃったんだよね😢/可哀想に😢」
「その自衛隊員はなぜ、そんなに咳してんのにマスクしてない訳?/アイスピックwはやり過ぎだけど殺意沸く気持ちは解る」
「これ医師でなくても殺意持ってる人多いと思う。」
「アイスピック医師は論外だけど、自衛隊員もわざと咳撒き散らしてたら懲戒モノだよこれ。防疫も国防だぞ、日本を守る立場なのに咳撒き散らしてるとか・・・どんな教育してんの自衛隊は」
などあり、咳が出ること自体を加害行為だと考えて攻撃していいと考える層が一定数いることが可視化されています。これらの、人を感染者と考え犯罪者扱いしたり忌避対象とする言動は患者差別に根差したものであり、到底容認できるものではありません。令和6年12月に製作されたリーフレット等には、"ウイルス等は""咳に含まれていたり"など咳がウイルスを広めると受け取れる内容があちこちに書かれています。感染が原因の咳か外気等の刺激でむせたのかの判断が居合わせた他人にできない(本人にもできない)以上、患者として扱うことは不適であり、そもそも患者であっても犯罪者呼ばわりされ殺意を向けられるのは謂れのない差別ですが、広報で繰り返し咳が感染を広げるというメッセージを聞かされ続けた結果の思考であります。
また、咳が出た人やマスクをしていない人を過剰に忌避する言動は"他者をばい菌のごとく扱うに等しく、尊厳を著しく損ない人格権を侵害する言動"でありいじめ事件の損害賠償請求訴訟などで仲間はずれにしたりばい菌扱いしたような行為について明確に不法行為と認められていることに照らせば他者をばい菌扱いしているこれらのコメントは同様に不法行為であります。

さらに、先日"子どもが咳が出てしまった時、友達に背中を鉛筆で刺された。うちの子はマスクしていなくて、相手の子はいつもマスクしている子。もともと仲良くしていて真剣に謝ってくれたからまた一緒に遊んでいる"という内容の投稿がありました。咳が出ただけで善悪の判断がつかなくなって一線を越えてしまうような精神状態の大人を見て、子どもも同じように加害してしまうのではないでしょうか。仲良しのお友達でも、咳をしたと思えば攻撃衝動を抑えられずとっさに手にしていた鉛筆を振り下ろしてしまう、というのは異常な事ではないでしょうか。その後本当に悪かったと謝っていることから、けがをさせる行動はやってはいけないと理解しているのだと分かります。お友達が咳をしても「大変だね、お大事に」と労わる気持ちにならず、刺してでも排除したいと思って実行してしまう子どもがいるのは異様な社会だと思います。
私も「マスクをしていないと殴られるかもしれないからマスクしてくれ」と言われたことがあります。この数年で、体質や持病・体調にかかわらず、マスクをしていないとか咳が出ているとかが理由で危害を加えられる可能性がある/危害を加えていいと考えるようになった人は相当な割合になったでしょう。誰もが感染症にかかる可能性があるという事が、感染対策の呼びかけにより「対策すればかからないので対策しないような人は感染源として責めていい」というメタメッセージを受けて忘れ去られてしまっています。偏見に満ちたコメントの多さに、この数年で人権尊重を訴えることの大切さはますます重要になってきていると思いました。そして、差別はいけないとつけ足して書くよりも差別を生む偏見を植え付ける広報を変えることが大切です。

事件の概要や集まっているコメントに、
「喘息ですシールみたいの/顔に貼っとくかな」
という身の安全を危惧して対応を考える声もありました。自治体等でマスク/消毒ができませんカードを作られていましたが今はホームページから消されているところもあるようです。本来どんな病気かなどは保護されるべきプライバシーであり不特定の人々に提示しないと不利益をこうむるのは差別だと思いますし、危害を避けるためにやむを得ず公開せざるを得ない社会も不寛容で差別を容認していると思います。このような事件があり、犯人を支持する、患者へのヘイトスピーチが野放しにされていると、それを目にした人々はますます自衛的になり、結局社会にさらに閉塞感が漂うことになります。結局のところ、予防策を呼びかければ呼びかけるほど、適切にその「予防策」を取らなかった責任を問う行動につながっていきます。必要なのは寛容性だと思います。

しかし、「周りの大切な人にうつさないためにも」や「咳エチケットによって、ウイルス等を含んでいる飛沫が広がるのを防ぐことができます」と書かれています。偏見や差別のリーフレットにはさまざまな不当な差別的取り扱いの事例として患者本人のみならず家族・施設職員・同級生など、また旅行や帰省など移動した人や県外ナンバー、外国籍の人など感染していないけれど感染者として扱われ差別された例が数多く挙げられています。咳エチケットのことも同様に感染していないけれど感染者として扱われ差別された例に挙げないのはどうしてでしょうか。これまでも生徒にマスクをさせろと学校にバットを持って乗り込んで医師が逮捕された事件、熱中症対策でマスクを外していた下校中の児童がマスクをしていないと殴られた事件など、飛沫(咳)が感染源、というイメージからくる患者差別に対応してこなかったことにより事件まで起きています。

国の行っている広報(ホームページの詳細な説明に記載があるところはあるがポスター等の露出の多いものはかかれていない)では、マスクの着用は本人の意思に反してマスクの着脱を周りの方が強いることがないように事業所等の推奨より個人の主体的な判断が尊重されることやマスクが着用できない人もいること、また子供の発達等への影響が指摘されていることについて言及がないものの、マスクは咳エチケットの内の一つとして示されていて、着用できない人にも配慮しマスク以外の選択も列記されているのですが、事件の報に接してそれは誤りであったと考えを改めました。咳エチケットを呼び掛ける広報で「咳はウイルスをばらまくから暴行傷害」と考え「咳で殺意を覚える」人が生まれているのです。

今後感染対策の徹底と呼びかける場合には、「他者にうつさないため」の対策は入れないのが良いと考えます。そう言ってしまうと、広報された通りの対策をしていない人の責任を問うため他害もやむを得ないという過激な思想が強化されていきます。「他者にうつさないため」の対策があると、自分がかからないためには他者をどうにかしなくてはならなくなり、どうにもならないので強迫などの実力行使をしてでも思い通りにしようと罪を犯す人が出てきているのです。

感染対策を呼びかけることが仕事なので呼びかけないことはできないとお聞きしましたが、それなら人権尊重に配慮し「自分がかからないための、自分だけでできる感染症対策」を広報してください。睡眠、栄養、保温、保湿、水分補給、口腔ケア、手洗い、換気などマスク着用を含む咳エチケットよりも効果的で基本的な感染対策があります。殆どの人はマスクを当てさえしていれば対策した事になるとマスク以外はないがしろになっていませんか。そのマスクすらいい加減なつけ方で感染性廃棄物とも思われず表面を触りたくり飲食店のテーブルに放置して店員に片付けさせるとか道に落としてそのままとか適当に始末して平気なのだから、いっそ一般に広く呼びかけないほうが衛生的です。

どうか今後の広報内容について、人権尊重の機運が醸成されるように配慮いただきますようお願いいたします。

参考にした資料

https://x.com/k_orchestra/status/1880792658597294579

https://x.com/k_orchestra/status/1880418402902401389

https://www.jst.go.jp/ristex/rinca/discours/files-210422-2.html

https://x.com/dream21ai/status/1880726841847320703

2025/2/2追記
今頃読みましたが、2022年の1月にもうこの意見と同じことを書いてある記事がありました。

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