「笑える~こわい話」第24号

 メルマガ 2014年10月22日

 笑える~こわい話 第24号 発行 アメージュ
ブログでは語れない真実をお届けするメールマガジンです。

目 次
(1)紗依のここだけの話「父との思い出」
(2)編集後記

紗依のここだけの話 第24回「父との思い出」

正直なところ、父との思い出はあまりない。 
おとなしく存在感がない父だったからなのか、それとも母の存在感があまりにもあり過ぎたからか、そのように記憶している。

私が幼いころ、姉のお下がりの洋服が嫌でわがままを言ったことがあった。もちろん母は怒鳴り散らして私を叱ったのだが、父は、
「紗依にも同じのを買ってあげなさい」といつも私の味方をしてくれた。

また、あるときは大きなクッションが欲しくてわがままを言うと父が遠くまでわざわざ買いに行ってくれて、
「みんなには内緒だぞ」
とこっそり渡してくれたこともあった。
今思えば父はいつもニコニコと、私には甘かったように思う。

父が亡くなってから母から聞いた話では、
「紗依は病気で死んでいたかもしれないからできることは何でもさせてあげなさい」と言っていたらしい。
そういえば、私は父に相談をしたとき、一度も反対されたことがなかった。
叱られたことといえば、私が病気で日中も寝ていたので、夜寝むれなくなってしまった日に、一度だけ怒られた記憶がある。生意気にも私は父に向かって、
「今は小さいから反抗できないけど大きくなったらお父さんの面倒見ないからね!!」と言ってしまったことを覚えている。
それからの父は私を滅多に叱ることがなかった。

そんな父だったからこそ神様の仕事をしているとわかってもあまり違和感がなかった。

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