[小児科医ママが解説] 「鼻吸い」って病院でやったほうがいいの?自宅でやるポイントは?
だらだらと鼻水が出ていると、
母乳やミルクを飲んだり、
食事を食べたりするのも、しんどそうですよね。
今日はそんなご質問にお答えします。
鼻吸いは「電動」一択。
Ama○onを見ても、色んなタイプの鼻吸いが売ってますよね。
小児科医としては「電動で吸うタイプ」を強くおすすめします。
たしかに一番お値段は高いタイプなのですが、
吸引力が強いからです。
病院で使っている医療用の鼻吸い器は、だいたい -80kPa くらいの吸引力なのですが、
市販の電動鼻吸い器も、医療用の鼻吸い器と同じレベルの吸引力です。
口で吸ったり、手でポンプを押したりするときの吸引力とは、比べ物にならない吸引力で、鼻水を吸えるんですね。
そもそも、親御さんが吸うタイプのものは、
間違いなく、お子さんから感染症をもらうリスクがあがります。
買うと決めたら、思い切って電動のものを買ったほうが、
トータルのコスパは良いでしょう。
「鼻吸いだけ」のための受診は、あまりオススメしません。
上記のとおり、家庭に電動鼻吸い器があれば、
病院にわざわざ受診して、鼻吸いしてもらう必要はありません。
電動のものであれば、医療用の吸引器と同じ、
吸引力で鼻水を吸えるんでしたね。
しかし電動鼻吸い器がない場合は、どうでしょう。
つまり鼻吸いをするには受診するしかない、というケースです。
ただし「鼻吸いのためだけ」に受診するのは、
個人的にはまありオススメしません。
理由としては、「病院で吸っても、またすぐ鼻水が出るから」です。
鼻吸いのときには、どうしてもお子さんは泣いてしまうことも多いです。
泣くと、当然、鼻水が出ますね。
結局、吸っても、その前後で泣いていると、
鼻水はダラダラで続けているケースも少なくないです。
泣かなかったとしても、結局ウイルスに感染している時は、
ずっと、鼻水は出るものです。
感染したウイルスを、鼻水として外に排出しないと、
治らないからですね。
もちろん医師の指示で鼻吸いのために通院するように言われたら、
それに従ったていただくのがベターかと思います。
言葉としては「鼻吸いのために」と言っていても、
同時に呼吸の状態などを一緒に観察する目的で、
受診するように伝えている場合もあるからです。
鼻血は出ても、すぐ止まればOK。
という質問もいただきます。
結論としては
ということです。
ご自宅のものでも、説明書にそって正しく使えば、
電動鼻吸い器で、医学的に重大な事故が起きたという報告はみあたりません。
ただしどうしても鼻の粘膜を傷つける可能性はあり、
多少の鼻血は出ることはあります。
これは病院で鼻吸いするときも、同様です。
ただし「電動鼻吸い器のせいだけ」で鼻血が出たのかというと、微妙なところがあります。
というのも、風邪や鼻炎のときは、そもそも鼻の粘膜がむくんでいて、出血しやすい状態だからです。
実際に、鼻吸いしていないのに、風邪や鼻炎のときに、鼻血が出るお子さんはたくさんいらっしゃいます。
つまり、鼻血だけをおそれて、電動鼻吸い器を使わないのはもったいないよ、ということですね。
いやがったら、寝る前だけでも。
鼻吸いのタイミングは、医学的に絶対!というものはありませんが、
一般的には
などが推奨されることが多いです。
鼻水を吸うことで、
よく飲んで・食べて、よく寝られるようにしてあげる、
というイメージですね。
ただし嫌がって泣いてしまうお子さんがほとんどなので、
ためらう親御さんも多いと思います。
そんなときは1日1回、特に寝る前だけでも、
吸ってあげると良いと思います。
いかがでしょうか。
鼻水をケアしてあげることは、
咳のケアにもつながるんでしたね。
4月から保育園・幼稚園が始まるお子さんもいらっしゃると思います。
ぜひ入園準備のひとつとして、電動鼻吸い器を検討いただけると、
ご自宅でのケアもスムーズかと思います。