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試写会レポート『逆転のトライアングル』(MC:立田敦子)

※本記事は2023年2月に参加した試写会レポートになります。


あらすじ

あらすじ:モデル・人気インフルエンサーのヤヤと、男性モデルカールのカップルは、招待を受け豪華客船クルーズの旅に。リッチでクセモノだらけな乗客がバケーションを満喫し、高額チップのためならどんな望みでも叶える客室乗務員が笑顔を振りまくゴージャスな世界。しかしある夜、船が難破。そのまま海賊に襲われ、彼らは無人島に流れ着く。食べ物も水もSNSもない極限状態で、ヒエラルキーの頂点に立ったのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦だった――(引用:filmarks

試写会アフタートーク

この日の試写会では、コラムニスト/稲田豊史氏をゲストに迎えての感想登壇でした。本記事では司会をされた映画ジャーナリスト/立田敦子氏が、事前にリューベン・オストルンド監督への取材やプライベートでのランチ会などでお聞きした制作エピソードをメインでレポートします。

Q.いつから本作の構想があったのか?

A.前作『ザ・スクエア』の日本公開時にはすでに構想があって、監督と雑談しているときにあらすじを聞いた。完成版との違いとしては、イケメンモデル/カールはルッキズムの象徴として''髪の薄くなった男性モデル''という設定を予定していた。

Q.アビゲイル役の候補

A.アビゲイルの候補には日本人役者も挙がっていて、監督とランチをしながら次回の映画作品の構想を聞いているときに、この役者さんはどうだろう?と話しているなかで挙がったのは樹木希林さん。スマホで樹木希林さんのフォトを見て、いいねぇ!と言っていたと。

Q.各エピソードのヒントはどこから?

A.大体のエピソードが身近な人、自分の身に起こったことが元ネタになっている。今回の作品も身近な人に男性モデルになった人がいたのでそこから。本作にあるデート中のお会計を男性/女性が払う押し問答は、監督と当時の彼女(=妻)と実際にあったエピソード。たしかカンヌ映画祭でホテルに泊まったときにこういったことがあった。彼女もフォトグラファーとして成功していたからね。そのあときちんと話し合って、和解し、その後結婚に至っている。

Q.映画のテーマは?

A.前作『スクエア』、前々作『フレンチアルプスで起きたこと』も同じテーマになるけど、自分の作る映画は一貫して『男性らしさ』にフォーカスを当ていて、男性が求められる役割に苦しんでいる男性を描いている。例えば『男性が奢るのが当たり前』『男性が女性を守るもの』のような役割。こういった社会学、行動学をベースに映画作っていきたいと思ってる。

Q.最後に一言

A.この映画をカンヌ国際映画祭で流すのが夢なんだ。なんせカンヌに出席している人たちは、この映画でいう『富裕層』そのものだからね

原題『Triangle of Sadness』

アフタートークでは、作品タイトルにも触れていて、原題を直訳すると『悲しみの三角形』となり、これは眉間のシワを表しているそう。前作が''スクエア(=四角)だったので、2作連続で図形がタイトルになっている。邦題の『逆転のトライアングル』は、原題のtriangle(=三角形)を活かして、且つ作品内容を言い得ているので、邦題がとても良いと登壇されたお二人が仰っていました。確かに!

ちなみに試写会はSNS経由、Fan's Voice経由でご招待いただくことが多いです。Fan's Voiceが主催している試写会は、アフタートーク付きのものが多く、また映画ジャーナリスト/立田敦子氏が司会をされるので、制作エピソードをたくさん知れます。地方の方にも嬉しいオンライン試写会の企画も最近は増えているので、映画のこぼれ話を聞きたい!という方にはオススメです。良かったらぜひエントリーしてみてください。良い映画LIFEを!

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