見出し画像

盗み癖があったときのこと

 もう、言ってもいいよね。許してくれるよね。あのときのこと。


私ね、小学校から高校生まで、盗み癖があったの。小学校の時は、コンビニでサラダ巻きと、エロ漫画。この二つを盗むのが恒例だった。

 家から数十秒で行かれる、小柄なおばさんが家族でやってるコンビニだった。店に入って、まずサラダ巻きをもって、そのあと雑誌のところへ行って、エロ漫画もって、それで店を出るんだよ。

いつもドキドキしたけれど、なんか、その二つが欲しかった。


 たぶん、10回は同じことしたんじゃないかなぁ。


 あるとき、同じように、店を出たとき、

その小さいおばさんが「伊藤さん。」(私の苗字:仮名)て声をかけてきたよ。それでね、すぐに「ばれたんだ!!」って分かって、ダッシュで逃げたの。追いかけてきてるのも分かったけど、そのまま振り返らずに、逃げたよ。私のほうがずっと足も速いしね。

 それで、家の前も通り過ぎて、坂道を下って、、周りにだれもいないこと確認してから、盗んできたサラダ巻きとエロ漫画を、その場に捨てたよ。



 しばらくして、うちに戻ったの。


そしたら、母親が玄関にいて、

つまり、今ならわかるけど、、当たり前だけど、、

そのおばさんは、私をここの娘だって知っているから、母親に、報告したんだよね。

どうしてこういうことをしたのか、みたいなことを聞かれたけど、何も答えられなかったよ。いつも、母親には、本当のこと何も言えなかった、ただただ、口が開かなかった。母親が私に何か質問して来たときは、黙って、黙って、時間が過ぎるのをまつのが、私のやり方だったから。

そのあと、父親とも少し話したけれど、父親は怒ったりしなくて、なんか、、いつもどおり、あまり私に興味がないみたいだったかな。



もうひとつね、これはとっても、自分では、黒歴史過ぎて、言いたくないことなんだけど。

でも、もう40歳だし、20年以上前のこと、許してあげたくて。


高校生のころ、バスケ部だったの。

容姿にも、勉強にも、ファッションにも、とにかく自分に自信がなくて、劣等感の塊で、なのに、それを微塵も出したくなくて、強く見せたくて、っていうそういう時期だった。


バスケ部の仲間はみんな面白くて、気が合って、明るくて、やさしくて、強くて、みんな素敵な子ばかりだった。きらきらしていた。

私は強烈な劣等感を持ちながら、キラキラしているふりをしていた。



私はよく、練習中に、部室に何か取りにもどるふりをして、一人で部室に戻り、ほかの部員の子たちのお財布からお金を盗っていたよ。


 そして、彼女たちがバッグに入れているスケジュール帳をとりだして、書かれている日記を盗み見ていたんだ。付き合っている彼氏とのこととか、自分の今の気持ちとかが書いてあった。


親友のしている赤いふちのメガネがかわいくて、それを盗んで、次の日からふつうに、自分のものとして、そのメガネをかけていたこともある。


もう、何なんだろう、書いてて、情けなくて、恥ずかしくて、どうしようもない。

その時のお友達、ごめんね。






今思い返して、

私は、盗むことで、何を手に入れたかったんだろう、と思う。

お金?サラダ巻き?メガネ?




もちろん、そのときは物が欲しかったということも言えるけど、

本当に欲しかったのは、それを手に入れたときに感じる一瞬の「気持ち」だ。


一瞬感じる「嬉しさ」、一瞬感じる「優越感」

そういう「気分」が欲しかった。



あの時から今まで「罪悪感」は、いつも私とともにある。

間違ったことをしてしまったから。

今思い返せば、部員のみんな、私がやったことだってわかっていた人も多かったとおもう、だって、わかるよそりゃ。



でも、だれにも、バレたくなかったし、そのあとの人生、いくら良いことをしても、その罪は自分に張り付いて離れなかった。

あの時のことが頭によぎると、「あーーーーーーーー!!」とか「うーーーーーーー!」とか、叫んで、やり過ごしていた。




今はねぇ、うん、怖いけど、まずここに書こうと思ったのは、

自分が楽になりたいからです。はい。

ちょっと中途半端だけど、公開させてください。



いろいろ、言ってないことはあるんだ。

統合失調症の妄想で、警察に捕まったはなしも、私の夫がどれだけ素晴らしいか、という話も、次から書けたらいいなとおもう。





いいなと思ったら応援しよう!

おおわしひつじちゃん
サポートいただけると、とっても嬉しいです。よろしくおねがいします!