Duolingoにハマった母との日常について。
私の母は最近、「Duolingo」に追われている。
そんな母が娘としては可愛くて、可笑しくてしょうがないから、少しだけ披露させてください。
そんなお話。
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母は最近、Duolingoを通じて唯一のフレンドである私に接触を試みてくる。
ある時は「akiogiさんが1日で10回以上もレッスンしたよ!ハイタッチしよう🙌」とアプリ上で通知が来た。
※私と母はフレンドになっているので、母がDuolingo で何かを達成すると、通知やフィード(タイムラインのような場所)でお知らせがくるのだ。
サラッと「akiogiさんが1日で10回以上もレッスンしたよ!」と通知は伝えてくるが、この文章の破壊力は凄まじい。
まずakiogiとは母のユーザー名で、これは母の旧姓から付けた名前である。旧姓に「あき」と「おぎ」が入っていて、そこから名付けている。
旧姓をアイデンティティにしているのも、名前の微妙なところをユーザー名にしたのも、「あきおぎ」ではなくDuolingo仕様に「akiogi」とローマ字表記にしたのも、母らしくてなんだか可笑しい。
また「10レッスン以上やったよ!」とサラッと書いてあるけど、実際1レッスンに3-5分はかかるので、10レッスン以上となるとakiogiさんは45分くらいはDuolingoやってることになる。
だから、この通知を貰った時は、陽気に10レッスン以上を報告する文にツッコミどころがあり、思わず1人電車の中で笑った。
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Duolingo内でフレンドクエストが開催されると母はフレンドである私に、ひとり暮らしの娘に食料をダンボールに詰めて送ってくれるかのように、ほぼ毎日XPブースターを送ってくれる。
※XPブースターとは、一定時間の間XPを2倍にしてくれるアイテムで、このアイテムをフレンドに送るにはジェムが必要となる。
私にとって母からXPブースターを貰うことは、母が夕ご飯を作ってくれるのと同じくらいにもはや日常茶飯事。
もしや母は朝に顔を洗うように、自分のモーニングルーティーンの中に「娘にXPブースターを送る」と入れているのだろうか。
当たり前と化してしまいそうな「母からのXPブースター送り」も冷静に見つめると、日々母がDuolingoでコツコツと貯めたジェムを、わざわざ使ってXPブースターを買ってくれているということなのだから、母の何気ない気遣いと愛情に目頭がじーんと熱くなったりもする。
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とある夕飯、ご飯を食べながら母と最近覚えたフレーズの話になり、母が2つのフレーズを得意げに披露してくれた。
母曰く、「The party is over.」はDuolingo内の音声(イケボ)の発声の仕方を真似して発音するのが肝らしい。
もはや母が練習しているのは発音ではなく発声の方。
娘の心境などつゆ知らず、「今はパーティとかないからなぁ。30年前ならThe party is over 言えたけどなぁ。」とややぼやきながら、今ではいつ登場するか分からないフレーズをとにかく一心に発声する母。
一方、「Cross the river, then turn left.」は、ハキハキと発声しないとスピーキングで音声を拾ってくれないらしく、結構お腹から声を出してこちらも発声を練習している。
「私もDuolingo始めてみちゃった✨テヘペロ」「Duolingo始めた目的なんて特にないよ〜💫エヘヘ」
みたいなテンションでDuolingoを始めた母に、一体いつから、そしてどこからこの熱量が湧いてきたのかと、感心しつつ摩訶不思議である。
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ある日の夕飯時には、母にヒーローインタビューみたく「Duolingoで英語学習したのちの夢は?」と聞いてみた。
そしたら、「毎週のフレンズクエストでさよよりも達成率を上げること、あーそれは夢じゃなくて目標かぁあはは」と、全く予想外の回答が。
母よ、それは仰る通り夢ではなく目標よ。
それも結構、Duolingoに寄せた目標なのよ。
とか、まあツッコミどころ満載であるが、本人は「あははー」とか
「間違えて変なボタン押しちゃって、問題間違えたことになっちゃうのよね」とか、
最近は「The party is over. の他に、I got it!(分かったよ!)を覚えたんだけど、発音がアイゴットイットじゃなくてアイガリットゥなのよ、変よね」
と言いながらアイガリットゥ!と笑顔で発声していたりとか、
akiogiさんこと母がなんだか楽しそうにDuolingoしてるから、何よりだと思う。
そんな母も、時々ぽつっと
「いつかホームステイの受け入れしてみちゃったりして、外国の方とお話できたらかっこいいよね!」とか
「いつかバイオリンを持ってヨーロッパ行って、みんなの前で演奏する時にさらっと英語話せたらいいなぁ」とか、冗談半分に夢みたいなものを話してくれることがある。(余談だが母は趣味でバイオリンをやっている。)
そしてそんな母を娘としては誇りに微笑ましく思いながらも、なんだか母ならそんな「いつか」を叶えて、英語で誰かに冗談を言ってみたりと、想像の斜め上をいきそうだなぁと思っていたりする。
だからもし、母の「いつか」が母の「叶えたい夢」に変わった時には、その夢が実現できるように私も色んな面で母を後押ししたい。
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私の母は最近、Duolingoに追われている。
いや。もはや母はものすごい勢いでDuolingoを追っているのかもしれない。
そんな母を微笑ましく思いながら、時に母の「いつか」を思い浮かべたり、akiogiさんからの通知でぷっと笑ったり、母のイケボで再生される「The party is over.」を聞きながら。
今日も、私はDuolingoする。