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場面緘黙症だったことに大人になって気付いた話④遠足、誕生日会編

幼稚園から小学3年生になるまで、園内、校内で全く話さなかった場面緘黙の話の続きです。

小学1年生

遠足

毎年5月に、1時間程歩いて遠足に行く恒例行事の日、1年生と6年生はペアになって、植物園まで手を繋いで歩く。

わたしのペアのお姉さんは、クラスのKちゃんのお姉さんだった。お姉さんはとても可愛くてやさしくて

「寒くない?」
と時々声をかけながら歩いてくれて、お姉さんとペアであることが、とても嬉しかった。

多分頷くことしか出来なかったと思うが、気まずさは感じなかった。
お昼のお弁当を、お姉さんの友達数人と、ペアになっている同級生達と一緒に食べた。

お姉さんの妹、Kちゃんもいた。
Kちゃんのペアも、クラスの友達のSちゃんのお姉さんだった。

優しくて暖かい雰囲気に包まれていた。
特に話した記憶もないが、楽しかった遠足の思い出だ。

誕生日会

ある日、学校でSちゃんの誕生日会に誘われた。
Kちゃんと、Kちゃんのお姉さん(つまりペアのお姉さん)もくるらしい。Sちゃんの誕生日会だが、ペアのお姉さんがsayoちゃんも呼んで欲しいと頼んだようだ。

わたしは友達の誕生日会に行くというのが初めての経験だったので、それを聞いて何だか嬉しかった。

母と一緒にSちゃんのプレゼントを選んだ。近所のスーパーの中に薬局が入っていて、少しだけ子供が喜びそうなおもちゃや雑貨が置いてある。母と買い物に行くときは必ず立ち寄り、綺麗だな〜と見ていた子供向けビーズのアクセサリーキットを選んだ。

Sちゃんは喜んでくれた。
他の友達が、何をプレゼントしていたかはほとんど覚えていないのだが、お姉さんに会えて嬉しかったのと、学校では一緒に遊んだ記憶のない友達と、誕生日会の後、外で一緒に遊んだような、楽しげな雰囲気に包まれていたことだけは心に残っている。

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