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NY出産譚〜22years ago〜 第6話

結婚を機にNYに住むことになって
そのまま永住するつもりにしていた

ならば ママ友をつくらなければならぬ
ギム感に苛まれていた 苦笑

とりあえず NYで出産・子育てしている
日本人ママを探して 連絡を取りまくった

出会ったママたちは 本当に皆よい人たちで
いろんな方々に 大変お世話になりました

ただ 私の稚拙さゆえに
ちょっと ヒリヒリする記憶もある

ある若い日本人ママに招かれて
お家にお邪魔したときのこと

マンハッタンのど真ん中のマンション
たぶん当時の家賃だと 月30万はするとおもう

初めてお会いしたママにお話しをうかがうと
日本人の旦那様は 学生だという

そのママも NYで赤ちゃんを産んだばかりで
専業主婦として こちらについてきていると

ご両親のお力添えもあるらしく
とても良い暮らし向きなご様子

私はといえば 自営業の夫の収入1本で
近郊の小さなアパートメントに慎ましく暮らす

着ているものも 妊婦用の服ではなく
夫の着古したビックサイズのトレーナー

あまりの暮らしぶりの違いがあったが
私は全くそんなことは気にしていなかった

そんなことよりも NYでどんなお産や
子育てをしているかを 聴きたかった

私はお産や子育てについて
たくさんの質問をした

が 彼女の返答はすべてがお買い物の話
どの店のbaby用品が素敵か という話

私は 海外での自立した子育ての序盤で
新しく何かを購入する欲も発想も なかった

だから 興味のない話が続くなかで
「お買い物の話しではなく…」と呟いた

すると彼女は ハッとした表情で
「あ、ごめんなさい、お金がないのであれば…」

と 申し訳なさそうに言ったあと
高級な古着屋の店の話をしてくれた 笑

そうか 私はかわいそうな貧しい妊婦なんだ
初めてdiscrimination  という言葉を味わった

そしてdiscriminationは
自分自身が創りだすこともあるのだと 驚いた

この日の この小さな小さな出来事は
のちの援助職人生に 影響を与えることとなる


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