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keyta_cinema
父について
さっき 実家に電話した
「明日誕生日やね
お祝いしよう」
娘の誕生日を覚えている 父
すごくびっくりした
父は不思議なひと
きまぐれで ふっと夜中にいなくなって
朝方 帰ってくる
別に怪しい感じもない
ただふらっと 放浪するのが好きなひと
おとことつきあうときは
なるべくひとりのひとに
自分をささげたほうがいい
といきなり諭された
若い頃
理由は
おんなの身体は
海や河口や月の 侵食のように
日々 少しずつ
形作られていくものだから
ただ ひとりのおとこに
その形を作ってもらったほうが
より美しくなれる
とのこと
当時は 理解できなかった
そんなことをいきなり
お酒もなしに 云うひと
父からみて 32歳のわたしは
いったい
どんなおんな なんだろう