【AD】アメリカの北京五輪のCM
北京五輪が始まりました。
アメリカでは、中継がNBCという放送局の1局独占放送ということもあり、オリンピックはそこまで盛り上がらず、今週末にあるNFLスーパーボウルの方が盛り上がってます。
東京五輪では専用ウェブサイトで全競技、随時生中継していましたが(日本国内限定?)、アメリカだとお金払ってNBC(テレビorインターネット)加入しないと観れません。
私はフィギュアとスノボが大好きなので、五輪観たさにYoutube TVという、YouTubeでテレビ放送が観れるサブスクに加入しました($64.9/月だけどお試し期間1ヶ月無料、アメリカ国内のみ)
ようやくNBCが観れるようになると、もれなくCMも観れるようになるわけです。
日本だとCM邪魔で仕方ないですが(広告業界の人間なのに)アメリカのCM、見慣れていないのもありすごく面白いです。しかも今は五輪オフィシャルスポンサーのキャンペーンCMが数多く展開しており、どこの企業のCMも興味深くてついつい見てしまいます。
というわけで、広告業界の片隅で働いていた(一応今も在籍中)人間として、気になったCMを集めてみました。
◼️デルタ航空
テーマはGravity
重力さえ味方につけてしまうアスリートと飛行機を重ねて、重力がなければ飛ぶことはできないというメッセージです。
オリンピックアスリートとエアラインの共通点はなんでしょうか?
『重力』です!
みたいなところからスタートする企画書とプレゼンが想像できました。
確かに航空会社ならではの目の付け所という感じのコンセプト。素材はハイライト集めればできそうな感じなのでそこまで手間がかかってなさそうな気も(制作側目線)
◼️ジュラシックワールド
今大会の謎タイアップナンバーワンだったジュラシックワールド(6月公開)とNBCのコラボ。
日本だと単発映画とオリンピックのタイアップってありえない気がするんですけど、NBCとのコラボだから出来てるのか、謎です。
アメリカ代表選手のさまざまなパターンがあり、これはアルペンスキーアメリカ代表のMikaela選手が滑走中に恐竜に遭遇してびっくりするけど大丈夫でした。というCM。
氷河期になって恐竜は撲滅したという誰でも知ってる歴史の一説を覆して雪山を走るティラノサウルス。どんなシチュエーションやねんと突っ込みたくなるシナリオです。
ちなみにネイサン・チェンバージョンは、ネイサンの滑りが華麗すぎて恐竜さんたちも集まって来たバージョン。
ネイサン・チェン選手、金メダルおめでとうございます!!!フリーの演技、素晴らしかったですね・・・鳥肌立ちました。
◼️P&G
毎回感動系CMを提供してくれるP&Gですが、今回も良かったです。
お母さんのキャンペーンが印象的でしたが、今回フィーチャーしているのはお父さんです。
キャッチコピーは「Because You ware always there, I'm here. 」
スノーボード女子ハーフパイプ代表で2大会連続金メダル獲得したクロエ・キム選手をフィーチャー。彼女は韓国系アメリカ人で移民なのですが、移民ながらもアメリカでトップレベルまで昇り詰めた努力とお父さんとの絆を描いていて泣けます。
前半部分で描かれている子どもの頃の映像は、撮影したものだと思いますが韓国の文化の一つであるワカメスープ(健康に良いので誕生日などに大事な日に親が作ってくれる)や在米アジア人に欠かせないアジアスーパーといった、彼女のバックグラウンドを表現している演出が良いです。
アジア人、移民、女性という、今アメリカで議論になっている全てを持ち合わせている彼女をフィーチャーしたのは間違いないと思います。
◼️OLYMPIC GAMES
こちらはアメリカで放送していた北京五輪のCM。
クリエーティブが素晴らしい作品でした。日常生活におけるオリンピック的スポーツを表現していて、ディレクション1000点満点という感じです。
キャッチコピーは「Every rise, every fall, every victory, - We're in it together.」
SNSキャンペーン用のハッシュタグは「#StrongerTogether」
スポーツ!応援!というよりも参加型のエンターテイメントとして位置付けているのがアメリカらしいです。
日本だと『がんばろう!ニッポン!』とか『ひとつになろう!』といった、あくまでも視聴者目線のメッセージが多いですが、ちょっと違いますね。
フォギュアスケートのパートでは羽生選手も登場します。ちなみに羽生選手、アメリカでも大人気でネイサンチェン選手並に特集組まれていました。結果は残念でしたが、素晴らしい演技でしたね・・・涙
◼️Bell(カナダの大手通信会社)
こちらはアメリカのスポンサー企業ではなくカナダの通信会社CMですが、皮肉ってて面白かったので紹介。
ぜひ字幕をつけて見て欲しいのですが、
オリンピックが始まった頃のギリシャを舞台に、
『冬季オリンピック?誰が見んねん?』
『えっと、、カナダ人?』
『カナダ人wwwww 見に来れるんですか?』
みたいな感じです。オリンピックって夏季の方が競技が多くて盛り上がるので、冬季は地味と言われていることを最大に皮肉ったCM。
カナダといえば冬季競技という感じで強いですからね。
◼️TOYOTA
こちらはトヨタのアメリカ向けCMなのかな。
世界中のチームトヨタのアスリートの手を繋げて、チームを表現しています。
「Outstretched」は「両手いっぱいに広げた」みたいな感じです。
ストーリーとシナリオはシンプルでありきたりな感じではありますが、素材探しと編集は苦労したに違いないという、プロダクションを労いたくなるCMです。競技何本見たのだろう・・・。
オリンピックのCMいかがでしたでしょうか。
日本とはまた違ったコンセプトや演出でとても興味深かったです。夏季五輪と比べて思ったのは、
背景が白いことが多いので、映像に統一感が出やすい!!(そこ?)
雪山やアイススケートリンクがほとんどなので、基本的に背景が白いんですね。競技が多岐に渡る夏季五輪との大きな違い。
今週末はNFL SUPER BOWLというアメリカの一大スポーツイベントなので、その試合中CM(毎年話題になる)も改めてまとめてみようと思います。
それにしても久々に広告会社の人間ぽいことを書いてみましたが、分析してて面白かったです!広告楽しい!