藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます。

藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます。

マガジン

  • オモテもウラも藤井青銅

    基本は毎週1本掲載です。内容は、 「書き下ろしエッセイ」 「これまでに書いたドラマ脚本、落語、腹話術などの脚本、番組台本」 「単行本未収録の小説・エッセイなど」 …の予定。私は作家兼放送作家なので、小説、エッセイ、コラム、ドラマ、番組、イベント…とオモテに出る仕事は色々あり、ウラにはエピソードもあります。その両方です。 有料サイトですので無断転載・引用などはご遠慮ください。感想・質問などあればコメント欄へどうぞ!

  • 藤井青銅の本

    プロフィール紹介も兼ねて、これまでに出した本を紹介。

  • ショートストーリーズ

    これまで本や他のメディアで発表したものに手を加え、セレクトしました。エッセイと詩と物語と、SFとファンタジーと、さらになんだかわからないものがまざった短いストーリー集。

  • TVのモンダイ点

    かつてTV誌「ステラ」に連載していたコラム。書籍化してなかったので、順に再掲します。意外に腐ってないネタが多いようです。

  • 食の歳時記

    我ながら珍しい「料理エッセイ」。元はラジオ番組のために書いたものです。

最近の記事

ピアノdays

久しぶりに、NHK-FMの「青春アドベンチャー」を書きました。 藤井青銅らしからぬタイトルでしょ? このドラマには、ずいぶん以前からのいきさつがあったのです。 *** 30歳の頃、私は突然ピアノを習い始めた。 私の世代の男はだいたいギターが弾ける。私も弾ける(下手だけど)。が、私はピアノが弾けない。だからずっとピアノへの憧れがあったのだ。   大人になって、放送作家になって、ちょうどヤマハがピアノタッチのクラビノーバを発売したので、 「これなら場所をとらないし、ヘッドフォン

    • 低迷の真相

      かつて『週刊小説』という雑誌に書いていた連作シリーズ【相撲おもしろ物語】。単行本未収録なので、順にUPしています。 「低迷の真相」【週刊小説 1995年8月4日号】    1 名古屋場所の時に、おれがよく行く店がある。なに、たいして立派な店じゃないんだけどね。言ってみりゃ、居酒屋だ。名物の手羽先がうまくて、値段も安いときている。おれみたいに安い給料で働かされてる相撲雑誌の記者でも、ちょくちょく行ける店ってわけだ。 「おやじさん、悪いが、領収書を二つに分けてくれないか」

      • 共にパンを食べし友たち

        「第53回創作ラジオドラマ大賞公開講座」は、先日、無事終了しました。 全国からオンラインで参加した方々、ありがとうございました。 お役に立てたでしょうか。 講座が無事終わって、小林さん、今井さん、門前さん、そして私で軽く打ち上げをしました(NHKの佐藤さんはオンラインでの参加だったので、ご一緒できなかった)。 作家同士というのは意外に会う機会がないのです。だって普通、各ドラマに作家は一人なので、一緒に仕事をするチャンスは少ない。でも、お互いが書いた作品のことは知っている。

        • 「無駄のない人生」(笑う20世紀)

          単行本『笑う20世紀』(実業之日本社)は、電子書籍『赤』『青』『黄』の三分冊で完結しました。 好評だったので、他に書いて単行本未収録だったショートショートや中編を集めてシリーズ化しました。今回は電子書籍オリジナルの『紫』です。 収められているのは以下の5本。( )は初出。 「無駄のない人生」(面白半分) 「おいしい水」(コミック・ゲラゲラ) 「大合併」(小説Club)  「美しき夢の家族」(ひとにぎりの異形「光文社文庫」) 「報国」(SFアドベンチャー)※中編 電子書籍出

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        • オモテもウラも藤井青銅
          初月無料 ¥500 / 月
        • 藤井青銅の本
          62本
        • ショートストーリーズ
          10本
        • TVのモンダイ点
          91本
        • 食の歳時記
          62本
        • とことん TVのモンダイ点
          38本

        記事

          昭和オリエンタリズム

          2025年は「昭和百年」ということで、世間ではいろいろとビジネスが動いている。大正15年=昭和元年=1926年。昭和元年は12月25日からの一週間だけだが。 ちなみに、2025年は「ラジオ百年」でもある。1925年3月22日に(社)東京放送局(NHKの前身)が開局した。 ん? スタートが1925年と1926年なのに、同じ2025年に「百年」というのも妙な気がする。元号は一週間後の1927年元日にいきなり昭和2年になってしまうので、この年にラジオの2年目(1926年3月~19

          昭和オリエンタリズム

          選び、選ばれ、コンテスト

          『幸せな裏方』(新潮社)という本の中に、創作ラジオドラマ大賞がどういうものかを書いたエッセイがあります。もう絶版なので、ここに再掲します。今回の公開講座のご参考にどうぞ! ********************* ぼくの役目(社)日本放送作家協会とNHKが共同で行っている「創作ドラマ大賞」というコンテストがある。テレビとラジオの両部門があり、長い歴史と権威がある。このコンテストから世に出た作家さんはたくさんいる。 …とはいえ、当時ぼくはそんなことは知らなかった。当時、と

          選び、選ばれ、コンテスト

          ビジネス会話改造論13~両者合意の嘘

          『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌ではページの都合で元原稿が少し短くなっています。ここでは雑誌の了解を得て、元原稿をUPしています。 今回は10月号(第13回「両者合意の嘘」)。途中まで無料で読めますよ(定期購読マガジンの方は全部読めます)。 現在出ている11月号には、次のコラム(第14回「毛づくろいビジネス会話」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。 では、10月号掲載コラムの元原稿をどうぞ。 ++++++++++ ビジネス会話改造論  1

          ¥150

          ビジネス会話改造論13~両者合意の嘘

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          「詳しい」と「楽しい」の関係

          連日の大谷翔平選手とドジャースの話題に、 「あ、そうだ。あれがあったはず」 と思い出して、本棚から以前読んだ文庫本を引っ張り出した。 『ドジャース、ブルックリンに還る』 奥付を見ると、昭和61年だ。 「いつの日か、こんなこともあろうか」と、私は神のごとく未来を予測し、38年間ずっと手元に置いていたのだ!! ……そんなわけはもちろんなく、たんに面白かったから捨てずにとってあったのだが。 なにせタイトルが「還る」なんだから、この本でドジャースが元はNYの球団だと知ったし、なぜ

          「詳しい」と「楽しい」の関係

          忘れられない言葉たち

          『一芸を究めない』という本に入れるつもりだったけど、ページの関係で入らなかった原稿。時々思い出し、少し加筆・修正してUPしてます。 忘れられない言葉たち 私は作家・脚本家・放送作家・作詞家などと呼ばれ、さまざまな原稿を書いてきた。色々な方々と出会ってきた。 振り返ると、そういう方々から聞いた《言葉》がある。言われて「ああ、そうか!」と思い、少しだけ前に進む…ということを続けてきたのだ。 そのいくつかを、記しておきたい。 「ベルト一本持てなくてどうするんだ」 「なんとかならな

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          忘れられない言葉たち

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          創作ラジオドラマ大賞 公開講座

          今年も創作ラジオドラマの募集要項が発表されました。 第53回なんですね。歴史ありますね。過去に、このコンテストからは何人もの有名な脚本家・作家が生まれています。 いつも(社)放送作家協会の脚本家の方々が審査にあたってきました。私も過去に何度か、選考の末席に連なってお手伝いをしたことがあります。 テレビドラマや映画やアニメといった映像作品のシナリオは、目にする機会が比較的多い。シナリオを書こうという方々も、ご存知でしょう。 けれど、ラジオドラマのシナリオはあまり目にしません

          創作ラジオドラマ大賞 公開講座

          記憶は簡単に捏造される

          時々、過去に私が書いた小説やドラマやエッセイのことを思い出してくれる方がいて、 「藤井青銅のアレは、〇〇〇が面白かったなあ」 とか、 「むかし、藤井青銅が△△△△と書いてた(言ってた)」 なんて言ったり、SNSに書いたりしてくれる。 それはとても嬉しい。 嬉しいのだけれど、たまに、 「ん? そんなこと書いたっけ?(言ったっけ?)」 と思うケースもあるのだ。 〇〇〇や△△△△のところが、私の記憶とは微妙に違うのだ。いや、大きく違っている場合もある。 (この人、なにか勘違いして

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          記憶は簡単に捏造される

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          メッキの左

          かつて『週刊小説』という雑誌に書いていた連作シリーズ【相撲おもしろ物語】。単行本未収録なので、順にUPしています。 「メッキの左」【週刊小説 1995年3月3日号】    1 今、目の前で横になってる男の両足が、窮屈そうにベッドの柵から少しはみ出してる。どうして窮屈そうかっていうと、この男の身長が195センチもあって、並のベッドじゃうまくおさまらないからだ。それなのに、さっきから男は文句も言わずじっとしてる。 実をいうと、文句を言おうにも言えない。なにしろこの男の顔と

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          「ガト王の靴の」(笑う20世紀)

          単行本『笑う20世紀』(実業之日本社)は、電子書籍『赤』『青』『黄』の三分冊で完結しました。 好評だったので、他に書いて単行本未収録だったショートショートや中編を集めて、『緑』『紫』『ピンク』とシリーズ化しました。電子書籍オリジナルです。 今回は『緑』。収められているのは以下の6本です。( )は初出。 「夢みる瞳」(小説春秋) 「LA温泉郷繁昌記」(野性時代)※中編 「北海道株式会社」(小説春秋) 「農業後継問題」(廣済堂文庫「ホシ計画」) 「ガト王の靴の」(廣済堂文庫「ホ

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          「ガト王の靴の」(笑う20世紀)

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          個人商店

          気がつけば、フリーランスの作家を四十数年やっている。 たいした才能もなく大ヒット作もないのに、ごまかしごまかしよく続いて来たもんだなぁ、と自分でも思う。 こんな私でも、時に脚本コンテストの審査員をやったりもする。そこでの入賞者や、あるいは新人作家たちにいつも言うことことがあるのだ。 とはいえ私は、彼らになにか教えを垂れるほどエライわけではない。ただ少しばかり先輩というだけだ。細々と続けてきた自分の体験から感じていることを伝えるしかない。 なので、 「フリーランスはみんな個人

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          個人商店

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          ビジネス会話改造論12~ビジネス反対言葉

          『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌ではページの都合で元原稿が少し短くなっています。ここでは雑誌の了解を得て、元原稿をUPしています。 今回は9月号(第12回「ビジネス反対言葉」)。途中まで無料で読めますよ(定期購読マガジンの方は全部読めます)。 現在出ている10月号には、次のコラム(第13回「両者合意の嘘」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。 では、9月号掲載コラムの元原稿をどうぞ。 ++++++++++ ビジネス会話改造論  12(ビジネ

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          人は言葉に縛られる

          「ダメ出し」という言葉が、昔からあまり好きではない。 よく演劇で、稽古が終わった時に演出家が役者たちに、 「お前のここがダメ」「あそこがダメ」「なってない!」 などとみんなの前で指摘する。 言われた役者は殊勝にうなづいたり、あるいはうなだれたりする。 勢い余った演出家は灰皿なんかを投げる(今は煙草を吸わないから、ペットボトルとかね)。 それほど熱く、親身になって自分たちを指導してくれたことに対し、役者は時に涙ながらに「ありがとうございます」と感謝する。 …というアレだ。 こ

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