きっと合う神様がいる、心のからまりもほどける田無神社
どんな場所でも、どうして自分はずっとそこへ行かなかったのだろう、とふと思う場所がある。田無神社もそのひとつだった。
20代の頃、となりの駅に住んでいた。せっせと働いてくたくたになって帰って寝るだけ、神社のことなどまだ頭の片隅にもない頃であった。
もしあの頃に田無神社のことを知っていたなら人生が変わったかもしれない。というくらいすばらしい神社で、過ぎ去った年月を悔やむほどである。
こんなおもしろい場所があったのかー。
神社に入ると、お祭りのようなほのぼのした雰囲気。ふっと気楽になるような、緊張がほどけるような。神社ってほんとうに不思議。神様によってまったく雰囲気がちがう。
田無神社は龍神様が有名。東西南北と中央に五龍神様がいらっしゃって、それぞれちがったご利益がある。それでももりだくさんなのに、他にも様々な神様がいらっしゃって、神社の端から端まで楽しみ尽くせる、とってもありがたい神社なのです。
事前にHPで下調べをして、どんな神様がいらっしゃるか、どんなお話をするか、ということをあらかじめ決めていったけれど、そのとおりにお話できなかったり、忘れてしまったり、まったくちがったことを思いついたりしてしまうのも、神社あるあるなのだろうか。
はっと目を惹く獅子頭。なぜかいちばん印象深く残っている。
手水舎は花手水になっていて美しかった!
花手水、さいきんいろんなところで見られてとてもうれしい。
本殿には繊細な彫刻。躍動感とたましいが感じられてじっくり見つめる。彫刻家が命を吹き込む、というのはきっとこういうことなんだろう、と思う。
本殿がある神社の中心は、堅苦しい感じがなくて、日曜日の公園みたいにみんなのびのびとしている。近所の子どもたちが遊びにきたり、七五三をお祝いしたり、御祈祷もみんなで聞いて、ほのぼのありがたい雰囲気。この雰囲気、ほんとうにアットホームというか、気持ちが安らぐ場所。
見所もたくさんあって、それぞれが思い思いの神様のところに行ってお話したり、御神木にエネルギーをもらったり、にわとりを見たり、コーヒーを飲んだりしている。いいなあ、とっても自由な空間。
すべての龍神様の写真を撮ることはできなかったけど、黒龍様のところに行ったとき、ちょうど人もとぎれて静かになったのでぱちり。
きれいな虹が出て、うれしかった。
寒かったのでジンジャーチャイを飲んで。ベンチもたくさんあります。
田無神社はおみくじがたくさん。だけどわたしは小銭がなくなってしまって…。お参りする場所が多いために、すっかり使い切ってしまった。田無神社に行くときは小銭を多めに持っていくのが良いです。
最後振り返ってみたとき、開かれた神社、の意味が附に落ちた。
本当に懐の深さを感じさせてくれる場所だったから。入口の梅も見頃で、ほっとあたたかい気分で心のからまりもほどけた気がした。