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シンガポールで働くことがメンタル回復に役立った体験

20年ほど前に、シンガポールで現地採用で現地の企業で働いていました。
その時のことを(主にメンタル面の思い出)書きたいと思います。


シンガポール現地企業に就職した私なりの理由

当時私は、新卒で勤めはじめた会社で3年目。
色々な面でかなり行き詰っていました。
そして、心療内科でうつ病と診断されたりもしていました。
今でこそ一般的になったものの、当時はメンタルダウンはまだ珍しい時代でした。
出口の見えない暗い中でただ生きているような感じだった気がしています。

私は中国語専攻だったため、当時アジアで就職する仲間も結構周りにいました。
もともと、日本で社会人になることに謎の抵抗感があり
海外で働くことに興味があったので、
新卒で香港や深圳に就職したかったのですが、求人はあまり思うようにありませんでした。

結局日本で一旦就職することになり、3年がたち、会社を辞めたときには心療内科に通っている状態でした。
しばらく休んだ後、「海外で働こう」という選択肢が浮かび上がってきました。
当時はその時の環境から逃れて一旦遠くに行きたい、という心境でした。

海外で救われたこと

人間関係において


まずは物理的に色々行き詰っていたこと、心の根っこにあった(家族との)問題から一旦離れられたことから始まり、
新しい人々との出会いがありました。
 
見知らぬ人に病気のことを話して手を差し伸べてもらったり。
海外に引っ越すことで新しい人間関係が生まれた。日本人同士は海外にいると異なる環境の中で連帯感が持てて結束力が強くなり、困ったときは助け合うし、みんな新しい生き方を求めて来ているので前向きな人が多く、エネルギーをもらえました。
 
当時の職場のチームメイトはマレーシアやタイ、中国、近隣のアジアから集まってきていましたが、
何ていうか昔ながらの人情みたいなものが残っていました。
そこで、助け合いの精神や人に頼ることを学びました。
 
人間関係(パワハラ?)で次々に人が辞めていったりするような辛い状況の下で働くことになった等、精神的なピンチもありましたが、
当時のチームリーダーに思い切って率直に悩みを打ち明けて助けてもらったこと、心情が共有できたことなどで何とか切り抜けることができました。

現地採用で働いていた時は、職場の仲間ともダイレクトに相談しやすかったように思います。
日本の職場では、相手がどれだけ信頼できるのか見極めるのが難しい気がします。
特に上司や立場が上の人に対しては、遠慮や忖度が働き、本音をどこまで伝えていいのか迷うこともあります。
 
一方、外国人の同僚や上司とは、そのあたりが比較的シンプルです。立場に関係なく、率直に相談しやすく、相手の考え方やスタンスも見えやすいと感じます。
もちろん、言い方には配慮しますが、日本のように本音と建前を使い分けることが一般的な社会通念ではありません。そのため、例えば一見人当たりがいいものの、実は計算高い……みたいなタイプを見抜くのが、日本の職場よりは楽だと感じます。
 
私は自己肯定感が低めなこともあり、人の評価を気にしたり、職場の人のちょっとした言動に必要以上に悩んだり、身構えてしまうことがよくあります。
しかし、外国人の同僚と接する際は、「自分がどう見られているか」を気にしすぎずに済むので、気が楽に感じます。
これは外国人とのコミュニケーション全般に言えることかもしれませんが、日本のように相手の気持ちを細かく読み取ろうとしたり、過剰に気を使う装置が過剰に作動しなくて済むので、余計な緊張やプレッシャーを感じずに会話できるのが心地よいと感じます。
 
ただ、それが本当にいいことなのかは、正直まだわかりません。
相手の気持ちを察しようとしたり、細かく気を配ることは、日本の文化の良さでもあるはずです。
どんな関係性を築きたいのか、その場に合ったコミュニケーションの仕方を考えることも大事なのかもしれません。
 
と、話を戻しますが、そんな風に、海外での人間関係や出来事に体当たりで向き合う中で、人に対する信頼感を学んでいったと思います。
 

リセットされた気持ちで楽しめた

また、自分が何者でもない、自由でいられるというような開放感を感じたことも海外で癒された理由の一つになっていると思います。
 
全体的なマインドが自由になってリセットされた気持ちになったり、先入観なしの自分でいられてそれだけで楽になることもあります。
 
またシンガポールに限らず、海外で生活すると普段の自己イメージに縛られず、新しい自分を楽しみながらチャレンジできることが沢山あると思いますし、そういった自由さの効用もあったかもしれません。
 
(私の場合、日本では高価で敷居が高かったゴルフの打ちっぱなしを昼間からビール飲みながら気軽に楽しんだり、日本にいた頃の自分のキャラではありえない、クラブ遊びを満喫したりもしていました(笑)。海外のクラブは、日本のように特定の層向けという雰囲気がなく、誰でもカジュアルに楽しめるイメージがあります。日本だと六本木のクラブなどは価格が高く、遊び慣れた人が行く場所という印象が強いですが、海外ではもっと気軽に楽しめるのが魅力でした。) 

大変だったこともあった

シンガポールで大変だったところは、(シンガポールに限らず海外の他の国でもそうですが)、サービスの質が低いこと、日本の高いおもてなし文化に順応してきた自分を感じました。言語の問題もありますが、クレームを言っても伝わらないし、日常のやりとりで疲弊したところも多いかもしれません。
でも、「外国だから」割り切れてしまう自分もいました。

そんな中で目の前の仕事を必死でこつこつやって、目の前の問題を解決し、日本での社会人生活ではじっくり向き合えなかった自分との対話を続けているうちに、いつしか
日本に帰ってもう一回チャレンジしよう、という気持ちが自然と湧いてくるようになりました。

続きはまた書けたら書きます。
今日も読んでいただきありがとうございました。



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