《詩》きっと多分違う人
きっと多分違う人
「記念にひとつくださいな」
記憶を水蛇が横切った
話にもならない話
話から逃げていくのを
離れていくのを
話で繋ぎ止めた
離れていった
始まった
嵌った
這った
はたと気付いた時には
話は無かった
話さないと決めていたのに
話したからだよ
もし信じてもらえるならと話した話
妄想のひとつでしかない夢の話
もっと話せば
妄想は現実を見る事が出来たのか
持ってこられたものは案外少なかった
妄想が日常を軋ませた
妄想に鋭い眼光
2011年10月2日
始まりの言葉を「き」「は」「も」に揃えた理由は覚えていません。