今日のつまずき英文(20221017)比喩表現 "on the table"と"enjoy"の関わり
Sakuraです。
つまづいた……と言うほどではなかったのですが、「比喩」が少しだけ理解しづらかったので記事にしたいと思いました。
題材
出題:共通テスト型 英語 リーディング 第5問形式より
本文は、とある人物についての紹介文ですが、設問中の英文にこうありました。
④ Human rights are not things that are put on the table for people to enjoy.
解説を読んだときに、この言葉はノーベル平和賞を受賞したアフリカ人女性、Wangari Maathai氏のものであると分かりました(ちなみに本文で述べられた人物とは無関係です)。
この英文は、正答ではなく誤答であったのですが、いかにしてこの英文を誤答であると判断するか、という時に拠り所となるのが、on the tableという比喩表現にあると考えました。
検討
直訳は「人権というのは、人々が楽しむために卓上に置かれる(=議論・考慮・審議される)ようなものではない」となります。
ただ、和訳ができたとしても、太字にした「楽しむために卓上に置かれる」という表現が理解できないと、この④を除外することができません。
日本語にも「机上の空論」という言葉がありますが、tableはそのままそのイメージを有しているようです。
ジーニアス英和辞典やウィズダム英和辞典等にも、
on the table
(1)(議案・考えなどが)審議されて、考慮されて
とあるように、この設問においてもon the tableは「議論中であることや審議中であること」を指す比喩表現である可能性があります。
ただし、この設問には、table以下に、"for people to enjoy"とあるのがポイントでしょう。
主語のhuman rights、また不定詞句が修飾する動詞 be putから解釈すると、「楽しむために(卓上に)置かれる」「楽しむための人権」とも理解することができます。
主語を絡めると、「人権を楽しむ」とも理解できるのですが、どうやらこのenjoyに注目しないと、正しく比喩を理解できなさそうでした。
よくよく考えると、この文脈で「卓上で」「楽しむ」という行為は、自分で何かを主体的に行うということを指すのではない、というニュアンスが読み取れます。
ただ単に「楽しむ」だけの場合だと、主体的にかかわることを楽しむ、という意味も含まれうるのですが、「卓上で」という表現がある以上、「机上の空論」という表現が「実際に行うことが不可能だ」ということと関連して、「自らが実行するわけではない=実行するのは他人である」という意味を示すのではないでしょうか。
よって、「人権(を得ること)について、人々が自ら主体的に動くことで得る」という意味ではなく、「他人に与えられた「人権」というものについて、審議・考慮されるのを享受する」という意味なのではないか、と考えられます。
要するに、このメッセージを通して言いたいことは、「人権とは他人から与えられるものではなく、自らが主体的に得るものである」ということだと推測することができます。
まとめ
比喩表現は、指導している中でも、難易度が高い部分です。
比喩を用いている部分は、著者が強いメッセージを込めている場合が非常に多く、そのために筆者の主張を理解し、生徒に自分の意見を持たせるためには、単に和訳ができるという段階で終わらせることはできません。
また、仮にその比喩が指すことを示したとしても、納得できる導線による理解を伴わない限りは、その比喩が、なぜその事柄を指すのかを理解できないままになってしまい、比喩を理解する力を向上させるに至りません。
ご指摘などあれば是非よろしくお願いします