あなたに安全な人
尾崎世界観(クリープハイプのボーカル兼小説家)さんがたまたま書評を書いていたのだけど、その書評にぐっと引き込まれた本。
人を自分のせいで死なせてしまったかもしれない2人の男女が奇妙な共同生活を営む話。
コロナ禍の設定のため、同居しているにも関わらずほぼ顔を合わせる事もない2人。だけどメモでのやり取りや、襖を隔てての会話で少しずつ交流を深めていく。入り込みすぎず、付かず離れずの距離で。
人目につかない生活を強いられる2人にはそれが心地良い距離感。
お互いの存在が生活に少しの安心と安定をもたらしてくれる。
コロナ禍を経て今や人との関わり方が見直され、zoomが急激に伸びたり、やっぱり人が恋しいよねっていう話も改めて見聞きするようになったけど、それは友達が少ない私でも実感しています。
やっぱりたった1人で誰とも会話せず1日を過ごしていると、なんだかそわそわするというか、これがずっと続くと耐えられへんやろうなという感覚が襲ってきます。
子供が小さい時の子育て中は特にそうでした。
旦那が仕事から帰ってきたら喋りすぎてしまったりして、あー、人との関わり求めてるんだなって実感していました。
この小説は基本2人のやり取りで進行していくので、展開も追いやすく、読書経験が豊富でない私でもその世界観に浸ることができました。