#401 張り詰めた緊張感
9月末から始まった関東大学対抗戦。初戦の東大戦で100点ゲームで好発進。その後、10月に4連勝。
11月にも強敵である日体大に勝ち、負けなしの6連勝で早慶戦を迎えた。
早慶明の3校の対決は戦前どんなに下馬評が有利でも蓋を開けてみると大接戦になる場合が多い。お互いの意地と意地がぶつかり合う展開になる。
よって早慶戦が近づくと、部内の雰囲気は一気に緊張に包まれる。
両校にとって負けられない戦いが近づくにつれ、緊張感が増す。
グランド内に張り巡らされたピリピリとした緊張感で、1年生もいつも以上に緊張を余儀なくされた。
公式戦恒例の試合前練習。試合メンバーがウォーミングアップを行っている間、試合に出ない部員全員でヘッドスピードという4人一組でゴールラインまでボールをパスで繋いで走り抜ける練習をひたすら続ける。
試合メンバーがたっぷり時間を掛けて行うウォーミングアップを終えると、グランド一面を使ってコンビネーション練習(15人で試合を想定した動きを確認する練習)を行う。その時は試合に出ない全部員はグランドの外でコンビネーション練習を見守り、激励の言葉を掛ける。
この練習が終わると、試合メンバーによるタックル練習が行われる。
試合メンバー1番からリザーブメンバーまで1人ずつ、砂場の前に1年生が持って待ち構えるタックルダミーにタックルを行う。
早慶戦の時は、タックルダミーに慶応ラグビー部のジャージを被せて行う。
(早明戦でも同様にジャージを被せるが、その他の試合は被せないで行う)このことからもいかに早慶戦という試合に特別な思いがあるかが伺い知れる。
このタックルダミーを持つ1年生は大役となる。
練習の進行を妨げない様、速やかに準備及びダミー持ちを遂行しなければならない。
ここで何かの粗相があると、いつも以上に目立つし、大きな罰練習に繋がる可能性がある。
試合メンバーそして控え部員の緊張感がピークに達する瞬間でもあった。
次々と試合メンバーがタックルすると、周りを取り囲む控え部員が大きな歓声で盛り立てる。「〇〇ナイスナックル!」「頼んだぞ!」等々たくさんの声が響き渡る。
続く…