#367 開始

4月1日早稲田大学ラグビー部新人練初日。まさか2年連続で新人練に参加する事になるとは思ってもいなかった。
東伏見駅のホームを抜け、階段を下る時、一年前の辛い日々を思い起こした。
厳しい新人練で極度の疲労と筋肉痛で階段の昇り降りがとても苦しかったことが鮮明に蘇る。

グランドに着くと数日前に行われた新人練説明会で顔合わせした入部希望者が集まっていた。
これからふるいにかけられ、熾烈なサバイバルが行われるとあって、独特な緊張感に包まれていた。
この日集まった100人近い入部希望者は最初的に40人弱まで絞られる事になる。
中には説明会に参加せず、新人練での練習着ルールを知らない様で、周りが驚く様な格好に着替えている入部希望者もいた。練習する際の格好は白のラグビージャージで左胸に黒マジックで苗字を漢字で書かなければならなかった。
その彼は高校名が入った真っ黒でしかもジャージの袖を切り落とし、ノースリーブになったジャージ。案の定、新人練担当の先輩に注意され、この日だけ先輩が貸してくれた白ジャージを着る事になった。
着替え終わると、練習が始まるのを待つ間、各々ストレッチをしたり、準備運動をしたりした。
間もなくすると、新人練担当の先輩が登場。
「一年集合!」と低い声で呼ばれた。
ダッシュで先輩の下に駆け寄り、静まりかえる1年生。
先輩は昨年同様、4年生の主務。
ピリピリした緊張感を漂わせていた。
怖い冷徹な感じで出席をとり始めた。
一通り出席を取り終えると、新人練に関する諸注意の説明がなされた。
僕はいよいよ始まったかと覚悟を決め、全力で新人練突破を目指す事を自分自身誓った。
昨年と違う点は毎日の練習が1回である事。
昨年は毎日午前と午後の2回行われた。
これは正直、少し気が楽になった。
とは言え、1回の練習でも厳しいものには変わりない。
ひたすら走らされ、息づく間もなく次々と過酷なメニューが続く。
練習の最後はグランド3周及び1周のタイム走。
設定タイム内で走りければ練習が終わりになる。
ただ、そのタイムは100%で走ってギリギリ通過できるか否かの厳しいタイム設定だ。
走るのが苦手なフォワードの選手などは最初から設定タイム通過は難しく、何周も走る事となる。
続く…




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