#332 ホームスティ先へ

オークランド街中での自由時間が終わり、いよいよ各自ホームスティ先へ行くことになった。
僕のホームスティ先は今回のラグビープログラムのコーチの一人ダリルの実家だった。ダリルはサモア人で西サモア代表(現サモア代表)にも近いレベルの選手でもあった。
実家には両親以外にダリルの姉が二人住んでおり、ダリルの息子5歳が頻繁に遊びに来ていた。
両親はお母さんがとてもしゃきしゃきしており、日本で言うところの肝っ玉母ちゃんという感じだった。お父さんは寡黙で穏やかな性格の方だった。
姉二人はほとんど家には居らず、あまり会うことはなかった。
他に3カ月前に静岡県からラグビー留学で来ている大学生がホームステイしていた。その彼がいろいろ教えてくれたり、ホームスティ先の家族との会話も通訳してくれたので、助かったが僕自身の英語の成長にはあまり思わしくなかった。
僕の部屋はこの家の娯楽室で、大きなビリヤード台があった。とても広い部屋でここには頻繁に5歳児が出来りしていた。
娯楽室なのでおもちゃもたくさん置いてあり、そのおもちゃで遊ぶ為に出入りする様だった。
その5歳児はとても人懐こくて、すぐに仲良くなった。
この時のニュージランドは日本と季節が逆で真冬だった。
1日で四季を体験できると言われている様で朝晩はとても寒く、昼間は半袖でも良いくらいに暖かくなる様だった。
確かに朝晩は冷え込み、冬の装いが必要だった。
翌日からラグビープログラムの初日が開始される。
僕は明日から始まるラグビープログラムにドキドキしながら、身体半分はビリヤード台の下で寝る事となった。
用意してくれた布団はふかふかでとても温かく、快適だった。
移動の心地良い疲れもあり、いつもの様に布団に入ってすぐに眠りについた。


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