#53 過酷な冬の練習
新チームでの練習が始まり、連日タイヤ引き、筋力トレーニング、ランニングと厳しい練習が毎日繰り返された。
雪に足が取られ、思った以上に進む事のできないタイヤ引き。終わる頃には、お尻や脚の筋肉がパンパンになり、歩くのも億劫になる様な疲労感を感じる。
この日々を乗り切れば確実に強いラグビー選手になる事ができると思い、手を抜かず、タイヤも敢えて重くて滑らない大きなタイヤを選び、自分を追い込む様にした。
雪が降り積もったグランドを踏み固める為に、縦横と、みんなで立て続けに走り抜ける。
一通り踏み固めると、ゴールラインに並び、監督の笛の下、ひたすら50メートルタイヤ引きダッシュが続く。帰りはジョグのスピードでゴールラインに戻る。戻るとほぼ同時に、容姿なく、次のスタートを知らせる笛が鳴り響く。
このタイヤ引きダッシュでやがて頭の中が真っ白になったものだ。下半身群の筋肉も、心拍機能も追い込まれた状態で、終わりが見えないダッシュを繰り返した。
続く…