#377 異様な空気感
今回のラグビー部一年生は選手だけで40人弱。他3名女子マネージャーが入部。女子マネージャーも選手程ではないがそれなりに狭き門の様。
ラグビー部は他のラグビー強豪大学と違い、希望し新人練をクリアすれば入部できる。その代り新人練は必要人数に絞り込む必要がある為、厳しいものとなる。希望者の約6割は落ちる。
1年目の新人練に落ちた者は翌年にもう1回のみ新人練に再チャレンジすることができる。今回、僕もその一人だ。
ただ、入部できてもラグビー部では1年生の扱となり、大学では2年でラグビー部で1年という不思議な立ち位置になる。
現役で入学したもの以外にも1浪~3浪、1浪2年入部、2浪2年入部とバラエティーに富んでいた。
僕と同じ2浪2年入部だけでも僕を含めて3人。他2年入部は4名。
半数近くが1浪だった。
離れているものは3学年離れていた。自然と年齢毎に派閥の様なものが出来上がっていった。
ラグビー部では先輩に関しては絶対的だったが、同じ学年で年上だと敬われるどころか少しでも隙があると下に見られ淘汰されていく。
浪人して入部したものは〇〇じいと名前にじいと付けられ、呼ばれた。
僕らの代だけではなく、代々その呼び名は受け継がれてきた様だった。
先輩にもじいを付けて呼ばれる人がたくさんいた。
危難を乗り越えて入部した同期ではあるが、結束力があったり、強い仲間意識がある訳ではなかった。少しでも気を抜くと、しぼりという罰練習の対象となる為、一年生同志お互いの行動を監視し、注意し合っていた。
この事と雑用をやったやらないでいがみ合い、非常にギスギスした空気に包まれていた。最初は仲間と言うよりは足を引っ張られるかもしれない存在という感じだった。
グランド自体も練習中は何とも言えない張り詰めた緊張感で充満。
最初慣れるまでは息苦しさを感じずにはいられなかった。
練習がある時は始発でグランドに来て、終電で家に帰ると言う生活は続いた。
続く…