#391 立ち込める緊張感

夏合宿では最上級生の4年生がいつも以上に厳しくなった。大学ラグビーでは大学4年生が主役と言っても過言ではない。
大学ラグビー最終年を最高の形で締めくくる為、最後の夏合宿に掛ける思いは強い。
1年生は複数人で組んで行う練習では必ず、4年生と組まなければならないルールがあった。4人一組だと、4年生二人に1年生が二人で組む。
4年生は組む1年生によっては同じ練習でも辛くなるので、組み合わせは重視する。(走るメニューであれば走力がある1年生が重宝される)
夏合宿は最初のメニューからいつも以上に全開で行う。
手を抜いたり、ペース配分を考えながらやることもない位、緊張感ややらなければならないというプレッシャーの中行われる。一緒に組む4年生ばかりではなく、他の4年生が醸し出す緊張感でグランド内は緊迫した雰囲気で充満。試合や練習ができない位の大怪我を負い、学生コーチとして毎日グランドに立つ4年生がおり、これまたとてつもなく厳しかった。
常に目を光らせ、少しでも気が抜けている様に見えるプレーをした1年生に対し、厳しい言葉を発する。
僕は自分ではきちんとやっているつもりでも容赦なく、厳しい言葉を投げかけられ、正直困惑したこともあった。
2面ある芝のグランドはAチーム及びBチーム以下は練習の半分位しか使わせてもらえず、砂漠のような土のグランドで練習することが多かった。
雨が降らず乾燥していると立ち込める砂埃で全身土まみれになりながらグランドを駆け回ることとなる。
母校グランドは他大学に比べてもとても恵まれた環境で、練習試合は母校グランドで行われることが多かった。他大学で菅平に専用グランドを持つ大学はほとんどなく、泊まっているホテル所有のグランドを使用する場合がほとんどだった。しかも母校グランドは他のどのグランドよりも芝の状態が良かった。必然的に母校グランドに出向いての試合が増える事となる。
夏合宿では春シーズン怪我で休んでいて復帰する選手が多く、Aチームと言われる1軍チームからJチーム(10軍)まであった。
10軍に入るとJリーガーと馬鹿にされることとなる。

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