#321 受けた衝撃と迷い
所々で特選組の活躍は見られたが、結果として早大新人の完敗だった。
明大新人に比べると、タックル回数が圧倒的に多かった為、全身土だらけの者が多かった。明大新人は基本ラグビー推薦のみの入部で花園出場は当たり前、高校日本代表が多数いるメンバー構成だった。力の差は歴然としていた。
早大新人は試合が終わるとすぐにそのまま、顔に着いた土をぬぐう事もなく始まった部の全体練習に合流。厳しい環境にさらされていることが伺い知れた。
同級生Aと僕は顔を見合わせ「よし、行こう。」と東伏見駅へ向かった。
試合を観れただけで十分だった。
駅までの緩い坂道を歩きながら、明大新人の強さを目の当たりにしたのと早大ラグビー部に入部が叶い、必死に喰らいついていた同級生達を観て焦りを感じた。あまりにも自分がやっているラグビーの環境と差があり、目指していた方向性と違う方向へ行ってしまっているのではないかと思い悩まずにはいられなかった。
乗り込んだ西武新宿線の中で同級生Aは来年の新人練習で入部する決意を改めて熱く語っていた。同級生Aは「早大新人が春に明大新人に打ちのめされてから、厳しい練習を乗り越えて、強く逞しくなっていく。そして早明戦で
勝敗をひっくり返すんだ。」と説明してくれた。
そして同級生Aは「Aチームも春のオープン戦では成績が振るわないが、地獄の夏合宿を経て変わる。それが早稲田ラグビーなんだ。」と目をぎらつかせながら語り続けた。
同級生Aの早大ラグビー愛は凄まじく、いつも感心させられた。
僕は何らかの形で高いレベルのラグビーに辿り着く為の方法を考えなければならないと思った。
僕らは高田馬場駅でお互いの家に向かう為乗り換えがあり、それぞれの方向へ向かう為、ここで別れた。
僕はジムへ行く日だったので、帰宅してすぐに準備をしてジムへ行った。
自宅からジム迄は自転車で5分も掛からない距離にあった。
今後の為にしっかり体力回復と増強をする為、日々のトレーニングは行わなければならないと強く感じた。この日のトレーニングはいつも以上に集中力が高く気合が入っていた。
続く…
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